扶和メタル(本社=大阪市、黒川友二社長)は、9月初旬に埼玉県に新ヤードを開設する。加工処理工場や営業拠点、湾岸地区集荷ヤードを含めて関東地区で8カ所目、国内外合わせて計17カ所目の拠点。「徹底した合理化を進め、コストを削減した新たなヤード運営スタイル」(黒川社長)を確立し、競争力の強化を目指す。
新ヤードとなる「埼玉支店」は、敷地面積約7570平方メートル(2300坪)。関東地区で同社主力工場の市川支店(千葉県)、昨年4月に開設した北関東支店(栃木県佐野市)の中間地点に位置しており、中継基地としての機能強化を見込む。
設備については当面、事務所棟とトラックスケール、各種重機のみで対応し、ギロチンなど大型加工設備の新規導入は行わず、炉前材や工場発生スクラップを中心に集荷する。加工が必要な母材は「立地的に近い市川支店へ運び、同支店の稼働率を引き上げて3シフト24時間稼働を目指し、固定費の大幅削減を進める」(同)ほか、メーカー納入後の帰り便を積極的に利用することなどで、物流コスト削減を図る。
目標は当面、月間3000トンとしているが、「取扱量1000トンでも収益が出るヤード経営を進める」(同)方針で、徹底した省コスト型ヤードとしてスタート。順調に稼働し、取扱量が拡大すればギロチン導入を検討。また、今後も同様のシステムで、関東を中心に新たな拠点開設を進める計画。
扶和メタルは創業104年の老舗大手で、年間取扱数量は90万トン。営業拠点は本社、ニューヨーク支社のほか、東京支店(中央区)、市川支店、鹿島支店(茨城県)、北関東支店、大阪支店(大正区)、東大阪支店・八尾支店(ともに大阪府)、京都支店(綴喜郡)。
スクラップの集荷・在庫拠点は、関東が船橋ヤード、川崎ヤード、お台場ヤードの3カ所、関西が南港ヤード2カ所、泉大津ヤード1カ所の計6カ所。