鉄鋼原料専門商社の共栄(本社=神戸市、三浦義篤社長)は、今年中に水島工場(岡山県倉敷市)でギロチンシャーとプレス機のリプレース工事を行う。総投資額は約4億円の見込み。設備老朽化に加えて、高炉メーカーで発生する各種スクラップの加工に対応するために、設備一新に踏み切る。ともに富士車輌製でプレス機は今年7月、ギロチンシャーは10月をめどに導入し、本稼働する。
水島工場は、鉄鋼メーカーや重工業が集中する水島工業地帯で発生するスクラップを取り扱うために、68年に開設した。鉄スクラップ加工処理・販売以外に厚板溶断加工事業も展開しており、NCガス切断機2基とプラズマ切断機1基、アイトレーサー、ロボット切断機なども備える。
新たに導入する加工設備は、1250トンギロチンシャー(270キロワット・360馬力)と300トンプレス機各1基。ギロチンシャーは既設機1600トン(450キロワット・600馬力)だったのに対して、同じ1250トン標準機(300キロワット・400馬力)に比べてもさらに省エネルギー・省電力型の設備を採用。プレス機についても油圧機器・回路を一新した省エネタイプを導入し、環境負荷低減やコスト削減などを図る。
共栄は1927年創業、41年に設立した製鋼原料加工処理・販売する専業商社の大手。関東から九州を営業エリアとし、国内メーカー各社に鉄スクラップを供給するほか、東アジア向けの輸出業務も手掛ける。年間販売数量は160万トンで、売上高は約593億円(ともに2011年12月期)。