金属リサイクルの平林金属(本社=岡山市北区下中野)は、岡山県倉敷市に建設を進めていた「玉島物流センター」が完成した。各工場の鉄スクラップ在庫を集約して、速やかに出荷できる体制を整えた。今後は非鉄用の倉庫建設を計画、保管能力を高めていきたい考え。
水島港玉島地区で物流拠点や工場が集積するゾーン「玉島ハーバーアイランド」に物流拠点を開設した。場所は関連会社の自動車リサイクル工場近隣。既に取得していた約1万3700平方メートルの敷地内に、平屋建て約2250平方メートルの倉庫を建設した。
2万トンの鉄スクラップを保管することができる。倉庫内には天井にマグネットクレーン1基を導入した。事務所、トラックヤードや給油用設備などで構成される。設備投資額は土地代を含めて約8億3000万円。
平林金属の各拠点でストックしていた鉄スクラップを1カ所に集約して保管する。拠点の中には、ストックヤードが手狭になっている工場もあった。
海上輸送に便利な立地で、港からの出荷にも対応。スクラップは水島や福山などの高炉や電炉に供給する。まとまった保管機能を持つ物流拠点の開設により、タイムリーに出荷できる体制を整えた。敷地には余裕があり、今後は、非鉄金属用の倉庫建設を検討、保管能力の増強を視野に入れる。
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金属リサイクルの平林金属(本社=岡山市北区下中野)は、各事業拠点で環境に配慮した取り組みを推進している。今夏からは、廃家電運搬用のトラックにリサイクル燃料を導入したほか、自社でリサイクルした材料で製造された建材を採用するなどして、環境対応を打ち出している。
今夏から、岡山工場(岡山市北区)の廃家電運搬用のトラック1台をバイオディーゼル燃料用トラックとした。バイオディーゼル燃料に対応可能な専用のトラックを整備した。
バイオディーゼル燃料は廃天ぷら油から造られたリサイクル燃料。岡山市では行政を挙げて、廃天ぷら油から造られたバイオディーゼル燃料の普及を進めていて、同社でも導入を決めたもの。
岡山市の環境センター内に設置されている専用設備で給油する。トラックは、主に岡山市内を中心に廃家電を運搬する。
また、このほど完成した物流拠点の玉島物流センター(岡山県倉敷市)に、テレビのブラウン管パネルガラスをリサイクルして製造されたインターロッキングブロックを施工した。事務所周辺の通路部分に舗道ブロックとして敷いた。
同社の廃家電リサイル工場「リサイクルファーム御津」(岡山市北区)で処理されたガラスを材料に混ぜて造られたもの。自社でリサイクルした材料を有効利用した。
同社では、環境への負担が小さいエネルギーや環境配慮製品など、今後も効率や効果を考えながら導入を進めていく考え。平林実副社長は「環境に配慮した取り組みは、これからも継続して進めていきたい」と話している。