新日本製鉄・広畑製鉄所はSMP法(冷鉄源溶解法)で粗鋼生産を実施しているが、この原材料については外部スクラップに依存しない鉄源構成の達成を目指している。昨年10月に同製鉄所4基目となるRHF(回転炉床式還元炉、NS―RHF)が稼働したことで、現在、粗鋼における還元鉄の使用は5割超に達している。
同製鉄所は収益改善目標を掲げ、鉄源工程ではRHFによる還元鉄の使用拡大などを進めている。同所のRHFは4基あり、1基目が00年4月、2基目が05年4月、3基目が08年12月、4基目が昨年10月に稼働した。このうち、4基目のNS―RHFは新日本製鉄と神戸製鋼所の合弁会社の日鉄神鋼メタルリファインで運営している。
新日鉄の大分・名古屋・広畑製鉄所、神戸製鋼所の高炉ダスト・転炉ダストや山陽特殊製鋼の電炉ダストおよび粉鉱石類を原料として、還元鉄の製造と亜鉛の回収をしており、ダスト処理能力は4基で年間約80万トン。
NS―RHFは順調な立ち上がりにより、稼働後は、還元鉄の生産が着実に増加。これに伴い、SMPの還元鉄の使用も拡大し、現在、使用比率は5割超に達している。これ以外に、鉄源および熱源として廃タイヤも使用しており、現状では市中スクラップはほとんど使用していない状況となっている。
今後も既存のRHFの高稼働を継続するとともに、所内のリターンスクラップ、廃タイヤの使用を継続していく。