伊藤忠商事は24日、グループ会社2社と国内リサイクル大手の鈴木商会(本社=札幌市中央区、駒谷嘉一社長)などと合弁で、中国遼寧省大連市長興島の長興島臨港工業区で、複合型リサイクル事業を行うと発表した。現地では金属スクラップや廃家電、廃プラスチックのリサイクルを手掛ける。事業拠点は2011年春ごろに着工し、15年をめどにすべてが完成する予定。金属スクラップの加工処理や販売は12年に開始する。売上高(14年目標)は約200億円。
伊藤忠商事が中国で金属リサイクル事業を手掛けるのは、グループ会社を含め今回が初。工場の敷地面積は10万平方メートルで、6000馬力のシュレッダー設備などが導入される予定となっている。工場の操業に関しては鈴木商会が担当する。
現地で集荷、加工処理した金属スクラップは、主に中国国内の鉄鋼メーカーに供給する。事業の付加価値を高めるため、将来的には米国からの鉄スクラップ輸入も視野に入れ、供給能力を高める。
工場は11年春ごろに着工する。まずは12年に金属リサイクルの加工処理や販売を始め、その後、廃家電や廃プラのリサイクル事業を開始する予定。
今回の中国進出に伴い、伊藤忠商事は10月下旬、伊藤忠メタルズ、伊藤忠(中国)集団有限公司、鈴木商会、三衆物産、大連三衆科技発展有限公司とともに、現地法人・大連新緑再生資源加工有限公司(本社=大連長興島臨港工業区新港村、江本光敏総経理)を設立した。資本金20億円で従業員数は400人。出資比率は伊藤忠グループが合計75%、鈴木商会が20%、三衆物産が2・5%、大連三衆科技発展有限公司が2・5%。
大連新緑再生資源加工有限公司は、長興島臨海工業区で唯一許可された再生資源加工企業となっている。長興島臨海工業区は遼寧省大連市北西に位置し、05年後半から遼寧省の東北振興策の最重要拠点として、地域開発が始まっている。09年には中国政府より第4次国家戦略プロジェクトの中核開発区と位置付けられ、10年4月には国家級経済技術開発区に昇格。船舶産業や港湾物流などの開発が着々と進められている。