新日本製鉄は大分製鉄所内に国内最大規模のシュレッダープラントを新設する。鉄スクラップを安定調達し、有効活用するのが狙い。機械メーカーに設備を発注済みで、早ければ2008年3月にも稼働を開始する見通しだ。
大分はホットコイル、厚板を主力製品とする量産型高級鋼製造ミル。八幡・広畑製鉄所などにホットコイル、スラブを供給しており、同社の鉄源基地としての機能も担う。
製銑・製鋼工程は、第1高炉(内容積4884立方メートル)と国内最大の第2高炉(同5775立方メートル)の高炉2基、製鋼工場が400トン転炉3基、真空処理炉2基、連続鋳造機3基の体制。09年春に第1高炉を5775立方メートルに拡大改修する予定。
06年度の粗鋼生産は912万トン(05年度886万トン)。足元もフル生産を継続しており、月間数万トンの鉄スクラップを購入しているが、今後もこの方針を継続する見通し。
大分に新設する設備は富士車両製の3500馬力クラスのシュレッダープラントで、一般市中鉄スクラップを中心に加工処理する。総投資額は10億円程度とみられる。
鉄スクラップはシュレッダー加工することで、非鉄などの不純物を細かく選別し、混入を抑制できる。また、かさ比重が縮小するため、1チャージ当たりの投入量を増やすことも可能となる。
九州地区は鉄スクラップ需要が供給を上回っており、グローバルな鉄鋼・鉄スクラップ市場の展開が進む中で、安定調達に向けて多様な一般市中鉄スクラップを加工処理して有効活用する。