中山鋼業(本社=大阪市西淀川区、勝部敬一社長)は昨年12月から、建屋内のスクラップヤード(3カ所)の整理・改修を実施していたが、このほど作業を完了した。今後は3つのヤードのうち2つを順次使用する体制とすることで、スクラップ管理の“見える化”が実現、ダスト量やスクラップ品質の正確な把握を行い、歩留まりを向上させる。これと連動し、製鋼でのスクラップ配合の最適化・高度化を進めており、H2とそれ以下の低級スクラップを主体にした操業にしていくことで、製鋼コストの低減につなげていく。
同社のスクラップヤードは、建屋内に3カ所(91ヤード、92ヤード、93ヤード)あり、スクラップ保管能力は約1万トン。ただ、ここ十数年は一定量のスクラップを在庫していたことなどもあって、抜本的な整理ができず、結果、スクラップにおけるダストの含有量が把握しづらい状況にあった。さらに、スクラップ在庫グレードなどの“見える化”を図るには、スクラップヤードの整理・改修が必要と判断した。
作業は昨年12月から、3ヤードのダスト処分、さらに整地とコンクリート打ちを行った。投下金額は約5000万円。スクラップの高さ管理の徹底を図ることで、スクラップ自体の歩留まり、スクラップの数量・品質がきめ細かく把握できるようになった。
これと連動して、同社では「ターゲットコスト2000」と称し、この1―2年で製鋼コストをトン当たり2000円引き下げる取り組みを行っている。この一環として、製鋼時のスクラップの配合の最適化・高度化を進めている。
最終的にはH2とそれ以下の低級スクラップを主体にした原材料で、高品質な製品の生産ができる体制とし、製鋼コストの圧縮に寄与させる。