鉄鋼原料専門商社の丸紅テツゲン(本社=東京都新宿区)は、2010年度の重点課題に、鉄スクラップ供給網の拡充とヤード運営の効率化、海外への人員配置を掲げている。鉄スクラップ需要の回復を視野に入れ需要家のニーズに対応する考え。新たな取り組みとしては、太陽光発電事業とレアアースの回収事業を開始する。
2010年3月期の業績(鉄スクラップ事業と合金鉄事業の計)は、売上高が1240億円、純利益は8億円超で、合金鉄事業が収益に大きく寄与した。一昨年の世界同時不況を受け国内鉄鋼生産が低迷していた中、鉄スクラップの取り扱い数量は前年を下回った。足元は回復傾向にあるが厳しい状況は続いている。
主軸である鉄スクラップ事業は今年度、既存取引先との連携を強化すると同時に新規取引先の開拓にも注力。従来同様、ヤードの増設も視野に入れている。ヤード運営に関しては、過度な在庫を避けると同時に回転率を引き上げ、内外の需要家のニーズに迅速に対応する。
さらに、鉄スクラップ市場の国際化に伴い、従来のシンガポール、台湾、中国、韓国に加え、新たにベトナムや米国などへの専門家配置を計画。
鉄鋼原料事業以外の取り組みとしては、今年度から開発部が主体となり太陽光発電事業やレアアースの回収事業を開始する。鉄スクラップ、合金鉄、自動車リサイクル事業に続く柱にすべく注力していく。