2008年度の転炉鋼、電炉鋼、鋳物用などを含む国内鉄スクラップ消費量の総計は、前年度比13・7%減の4593万1000トンとなり、7年ぶりに減少した。昨秋以降、国内鉄鋼メーカー各社が鉄鋼製品需要の低迷を背景に大幅減産を継続していることが要因。足元、メーカーの生産活動に本格回復の兆しは見えず、09年度の国内消費量はさらに減少する可能性が高い。
日本鉄源協会の流通調査によると、消費量の内訳は転炉鋼での消費量が前年度比5・8%減の1217万8000トンで、電炉鋼が16・7%減の2672万5000トン、鋳物用などが18%減の572万トン。
08年度は、上半期は旺盛な鉄鋼生産が寄与し、国内の鉄スクラップ消費量は4―6月期が1428万8000トン、7―9月期が1356万6000トンと、それぞれ前年同期を上回る水準で推移。
しかし秋以降、鉄鋼メーカー各社の大幅減産が影響し、鉄スクラップに対する内需が低迷した。国内消費量は08年10―12月期が1142万6000トン、09年1―3月期が665万1000トンに落ち込み、いずれも前年同期を下回った。
足元、鉄鋼メーカー各社の大幅減産が続いており、「09年度の国内鉄スクラップ消費量は08年度を下回るのでは」(商社)とみる向きが多い。