鉱物処理や金属リサイクル向け設備の販売などを手がけるメッツォグループ(本社=フィンランド)の日本法人、メッツォ・ミネラルズ・ジャパン(本社=横浜市港北区、横山文雄社長)の2011年の受注実績は震災被災地向けの案件もあって金額ベースで計画比約2割増となった。業績については一部の売り上げを次年度に繰り越し、当初計画(売上高18億円、経常利益7000万円)に対して約7割を達成したと見られる。12年については、これら繰り越し分が売り上げ計上されるものの、国内の厳しい市場環境が利益を圧迫する要因となりそう。既存ユーザーの更新需要の取り込みや新規顧客開拓のほか、グループのアジア圏での事業展開と連携したメンテナンス、サービスを拡充しながら利益確保に努めていく方針だ。
11年は東日本大震災のがれき処理事業を請け負うゼネコンなどを通じて東北の被災地向けに、グループ会社エムアンドジェイ社(デンマーク、M&J)のシュレッダー6台を受注。岩手・宮古で「M&J4000」が先月稼働開始したほか、宮城・石巻ではより大型の処理能力の機種が求められ、世界最大6000トン級の固定設置型破砕機「M&J6000S」4台を受注した。
被災地での実績も評価の一つとなり、またユーロ安により同社が販売するM&J社の製品も設備購入の検討対象に上がりやすくなったことから、産廃処理分野、設備更新を控えた業者からの新たな引き合いが来ているという。
厳しい環境の中、こうした国内市場の需要を確実に捕捉するほか、今後はグループにおける「アジアのハブ」としての役割も重要性を増す。10年以降、グループとしてオーストラリアを含めたアジア・パシフィック地域で事業展開。韓国やシンガポールで従来の代理店を自前のサービス、セールス拠点へ、中国にもセールス・サービス・オフィス(SSO)を置いて増員、セールスに注力するなど、組織を拡充している。
日本法人のメッツォ・ミネラル・ジャパンとしての連携も、人員やサービス提供などますます強化していく。日本市場を重視したうえでアジア各国の拠点と協力した事業展開を展望する。