関西地区シュレッダー加工処理大手のマキウラ鋼業(本社=姫路市飾磨区、薪浦亨社長)は、ASR(自動車シュレッダーダスト)に含まれる金属の回収率引き上げをめざす。今年12月をめどに、非鉄選別機を新たに導入して金属選別ラインをさらに強化。自動車処理で発生するアルミや銅、ステンレスなど金属スクラップの回収は、ほぼ100%に達するという。
自動車は金属比率が高く、リサイクル率が高い一方で、解体済み廃自動車をシュレッダダー加工処理した際には約35%程度のダストが発生。このシュレッダーダストの成分は主にプラスチック・ゴムだが、ダスト中には回収困難な微量・微細の金属が残されている。
同社では金属選別設備として、シュレッダープラントの工程ライン上に独・シュタイネルト社製の非鉄金属・ステンレス選別装置をシャトルより計4基、独・トラテック社製1基をテヅカより導入、設置している。
銅や真ちゅう、アルミなどに加えて、選別の難しかったステンレスの回収を行っているが、選別ライン上にさらに西・ベストトラテック社製非鉄選別機「エコタワーソート デュプレックス1800」をテヅカより導入する。
「エコタワーソート デュプレックス1800」は、金属回収用の選別機をタワー式に積み重ねた設計で設置スペースが節約することにより、機械間に設置される振動フィーダやベルトコンベヤーを省略し、設置費用を大幅に削減。また、連続で選別できるため、ベルト上での材料展開が最適化され、選別効率が向上。上段のリニア式選別機でアルミや銅、真ちゅうを、下段のインダクション式でハーネスやステンレスを選別し、ダスト中の回収困難な微量・微細な金属を回収してリサイクル率の向上を図る。
マキウラ鋼業は1952年に薪浦商店として創業、72年に改組した。81年に1500馬力シュレッダープラントを導入。使用済自動車解体工程から発生するAプレス(廃車ガラ)などの複合素材を、包括的に適正処理を進める。06年にはシュレッダープラントのリプレースを行っている。月間扱い量は1万5000トン。