鉄スクラップの国際市場が動き出した。市場要因の最大の変数であるトルコが、先週ラマダン明けをにらんでアメリカ東海岸積みの鉄スクラップ輸入契約に動いたようだ。大量契約を中断していた韓国の現代製鉄も、アメリカ西海岸積みで新規に８万トンをＨＭＳ・No.１で３５６ドル50セント（ＣＦＲ）で契約。３月に比べ10ドル近く安値となった。現代製鉄は、日本産スクラップの契約ではまだ慎重姿勢だが、５月連休に向け買い場を探っている。国際的な需給は、再び締まってくると見られる。

　国際的な鉄スクラップ市場は、５月からのトルコのラマダン入りを前提としたアメリカ産スクラップ新規契約の中断で４月入り後やや軟調だった。このためアメリカ東部地域のコンポジットプライスは、ＨＭＳ・No.１で２６７・５ドルまで低下。足元では、一服感が出ている。こうした中で最大の輸入国・トルコが先週３４０ドル前後のオファー価格で買いに向かったようで、再び動意づく兆しが出てきている。

　韓国電炉各社は、アメリカ、ロシア、日本の価格動向を見ながら最適の調達をめざしており、これを背景に４月は月内で２度の国内鉄スクラップ購入価格の引き下げに当たっている。現代製鉄は、日本産スクラップの入札については、４月に入って提示価格を２度引き下げ。先週水曜日の入札では据え置きと様子見。この間に８万トンのアメリカ産スクラップの契約を実施している。日本産は、ピークからやや軟化傾向にあり、現代製鉄は５月連休を挟んだ市況の動向を判断しながら本格的な買いに入るものと見られている。日本産スクラップについては、連休明け後の操業休止があるため価格的には軟化傾向を強めるもよう。ただ現代製鉄の日本スクラップの買い動向次第では日本国内電炉の購入価格引き下げは限定的になる可能性もある。