４月第１週の特金スクラップ相場はほぼ全面高。国際価格の高騰を受けニッケル系上物が３月第４週比でキロ４８０円高（13％高）と急騰、モリブデン系やコバルト系なども大幅高となった。チタン系は底堅く推移、タングステン系は据え置かれた。

　 ニッケル系はしゃぶり、新切れが４８０円高の４１５０円に急騰した。１月第１週は２５３０円だったが、３カ月間で64％高となっている。42アロイも３月第４週比で２３０円高の１７００円、ＰＣ―２も５９０円高の３１５０円に急騰した。

　 指標となるロンドン金属取引所（ＬＭＥ）のニッケル現物セツルメントは、２月平均のトン４万１１８４・25ドルから３月平均は４万６３２４・77ドルと12・５％高い。取引所在庫の減少を背景に投機買いが加速、３月19日にはセツルメントで初めて５万ドルの大台を突破し「上値のめどが見えない状況」（商社筋）だった。

　 その後は利益確定売りが出て３月下旬に４万５５００ドルまで調整したものの、おう盛なステンレス需要を背景に実需筋の買い意欲が強く高止まりしている。

市中の原料扱い筋は、「足元は弱含みだが、メーカーはまだ数量確保を優先しておりタイトな状況が続いている」と指摘する。

　 モリブデン系も高い。新切れ一般品はキロ７００円高の４１２０円となった。フェロモリブデンの国際価格は世界最大の生産国である中国の輸出規制強化を受け上昇傾向にある。コバルト系も上昇した。チタン系は新切れ一般品が20円高の３７０円、チタン合金も20円高の２７０円となった。「フェロチタンの引き合いは一服しているが、値段は底堅い」と原料扱い筋は話す。