アルミ缶リサイクル協会は17日、2009年度の飲料用アルミ缶リサイクル率(再生利用率)が、史上最高の93・4%に達したと発表した。過去最高は07年度の92・7%。08年度は87・3%に落ち込んだが、6・1ポイント上昇した。一昨年の世界同時不況の影響を受けて膨らんだアルミ原料在庫が、昨年前半に整理され、年度半ばからアルミ缶需要が回復したことから、滞留品が一掃される形になったことが要因とみられる。CAN TO CAN率は、UBCの缶材向け以外の増加により前年度比4・3ポイント減の62・5%にとどまった。
アルミ缶リサイクル率は、05年度以降90%台にあり、同協会では07年度より「安定的に90%以上のリサイクル率を維持する」ことを目標とした。08年度はこれを下回ったが、昨年度は滞留品の一掃のほか、10年初頭からアルミスクラップが世界的な原料不足となり、国内でのUBC需要が増加したこと、缶の軽量化が進展し、リサイクル率の分母となるアルミ缶消費量が、08年の29万9319トン(184億3400万缶)から29万2897トン(182億4400万缶)と2・1%減少したことも、リサイクル率アップに影響した。
また、昨年度の韓国へのUBC輸出は、韓国へ輸出されたアルミスクラップの約10%、1917トンと推定されており、この輸出品がすべて再生利用された場合のリサイクル率は94・1%となる。
CAN TO CAN率は、09年度に再生利用されたUBCが、08年より1万2353トン増の27万3691トンだったのに対し、缶材向けは3634トン減の17万57トンにとどまったため、4・3ポイント減となった。
同協会の基本方針の一つであるリデュースも進展し、1缶当たり重量は基準年(04年)比0・36グラム削減され16・57グラムとなった。「04年から10年までに1%軽量化」が目標で、昨年の段階で削減率2・1%と、1年前倒しで目標を達成した。缶ふたの小口径化、缶胴部の薄肉化など缶使用の改善に加え、缶サイズの小型化が削減を早めた。