2007年06月21日(木)
 ニッケルのロンドン金属取引所(LME)相場が今年2月以来、4カ月ぶりに4万ドル台を割り込んだ。20日入電のLME相場は前日比2660ドル安の3万9240ドル(セツルメント)。

 LMEの大口長期ホルダーに対する規制強化を引き金とした大幅下落に加え、中国の一部大手ミルの減産とも伝えられるなどの要因も受け、1カ月で30%近い下落となった。
 中国財政部は19日、現行8―11%のアルミニウム棒・形材・線などの増値税還付率を一気に撤廃するほか、ニッケル、鉛、亜鉛などのベースメタルやレアメタルを含めた同還付率も5%に引き下げると発表した。

 7月1日より実施する。非鉄金属に関連する増値税還付率の大幅調整は2006年9月中旬以来、約9カ月ぶりに取られる措置。
 チタン展伸材の需給ひっ迫があと2年間は続きそうな情勢だ。新興生産国である中国からの輸出材は、日本製と比べて品質の差がまだ大きく、今後国内での使用は限定的にとどまると予想される。スポンジチタンの国内メーカー2社の次期の新規増産設備が立ち上がるのも2009年半ば以降となり、市中での調達難の解消はまだ先の話のようだ。

 チタン展伸材の需要はおよそ2年前、航空機部材や大型プラント・船舶の熱交換器向けで急回復し、展伸材の原料となるスポンジチタンの増産も追いつかず、品不足状態となっている。