2006年06月29日(木)
 大手電解銅箔メーカーは代表品種の厚さ35ミクロン品を7月出荷分から追加値上げする。原料の銅価格高騰を受けて三井金属、日鉱金属、古河サーキットフォイルの3社は、アジア向け出荷価格をキロ当たり2ドル前後値上げする方向で需要家のプリント回路基板(PCB)メーカーと交渉を進めている。おう盛な需要を背景に生産がひっ迫しているため、需要家は値上げを受け入れるとみられる。
 日本軽金属と双日は28日、ベトナム化学公団(本社=ハノイ、ビナケム)と100%子会社のサウスベーシックケミカル社(本社=ホーチミン、SBC)の4社共同で、ベトナムにおいてアジア最大規模となるケミカル用途水酸化アルミニウム工場の建設に関し、事業性調査(FS)を行うと発表した。

 新工場の生産能力は年間約55万トンと日軽金清水工場(静岡県静岡市)に匹敵する規模で、プロジェクトの総事業費は約400億円を見込む。2008年までにFSを完了させ、早ければ11年にも操業を開始する。
 日本伸銅協会が28日発表した生産速報によると、5月の伸銅品生産量は前年同月比5・6%増の8万6190dとなった。5カ月連続で前年実績を上回り、伸び率も4月に比べ0・7ポイント改善した。

 黄銅棒や銅条、リン青銅板条などこれまで好調だった品種の伸び率が引き続き高いこと、4月に前年実績を割り込んだ銅板や黄銅板の生産に改善が見られることなどが要因。半導体や機械を中心に多くの分野で息の長い実需の回復が続き生産量の底上げにつながった。