2006年06月28日(水)
 世界の非鉄資源産業の寡占化が加速している。世界第2位の産銅会社である米国のフェルプス・ドッジは現地26日、ファルコンブリッジ買収計画を進めていた加インコとファルコンの2社を買収することで合意したと発表した。

 総額約400億ドル(26日東京TTS1ドル=117・38円換算で約4兆7000億円)もの大型買収案件となり、銅やニッケルなどを生産する時価総額560億ドルの非鉄メジャーが誕生する。

 統合後の新会社名は「フェルプス・ドッジ・インコ社」。2006年1―3月期の3社合計売上高は63億ドル、金利・税・償却前の利益(EBITDA)は19億ドルとなっている。08年までに年間9億ドルの統合効果を見込んでいるが、この中にはインコとファルコンによる統合効果5億5000万ドルが含まれている。

 本社と銅事業部門の本拠はフェルプスの本社がある米フェニックスに、ニッケル事業部門は加トロントに置く。活動拠点は40カ国以上、従業員は4万人。
 非鉄製品流通大手の山崎金属産業(山崎洋一郎社長)は、小松支店(石川県小松市)にアルミ厚板切断の大型バンドソーを導入し、本格稼働を開始した。航空機材や半導体・液晶製造装置向けの受注が増えていることから、今後人員の増強も図っていきたいとしている。
 日鉱金属は27日、6月積み産銅建値をトン当たり3万円引き上げ87万円(月間平均88万5000円)に緊急改定すると発表した。

 指標となる海外銅相場が現地26日、米フェルプス・ドッジ社による加インコ社およびファルコン・ブリッジ社の買収を引き金に、LME銅が現物後場買値で7025ドルと先週末に比べて160ドルも急反発。またNY銅当限も先週末比10・15セント高の344・40セントと6月8日(同345・20セント)以来の戻り高値へ急反発。