2005年06月27日(月)
 銅鉱石の余剰感が落ち着いてきた。中国やインドの銅製錬所の増産や新規立ち上がりが進み、不足していた製錬能力が鉱石増産に追いつき始めたと見られる。鉱石スポット市場での買鉱条件は、製錬側の収入となるTC(溶錬費)がトン当たり200ドルという異常な高値を一時付けたが、足元160ドルで落ち着いている。

 高値にある地金市況から製錬メーカーの増産意欲は強く、鉱石のはめ込み先がない事態の再来はもはやなさそうで、逆に「鉱石は年間でそれほど余らない」との見方も出始めた。
 日鉱金属は24日、6月積み産銅建値をトン当たり2万円引き下げ、44万円(月間平均43万5400円)に緊急改定、即日実施すると発表した。

 取引指標となる海外相場、とりわけLME銅相場が現地17日に示現した3670ドル(セツルメント)の米ドル建て制移行後の史上最高値から、4営業日連続安のうちに3500ドルぎわまで160ドル以上も暴落したことが響いた。
 銅条の生産量が本格的に回復してきた。日本伸銅協会が24日発表した5月の伸銅品生産速報によると、銅条は同0・6%減の2万30トン。マイナス幅は前月の1・6%から半分以上縮み、好調だった昨年同月の生産量にほぼ並んだ。

 一方、全品種合計の生産量は前年同月比6・3%減の8万1750トン。昨年12月から6カ月連続の減少で、マイナス幅は前月の7%に比べ微減したものの、大幅な改善は見られなかった。