2005年04月04日(月)
 海外相場に高値警戒感が広がる中、国内銅市況が今度は円安をテコに上昇している。日鉱金属は4月積み銅建値を3月比でトン当たり1万円引き上げて1990年10月以来の高値となる42万円でスタートすると発表した。

 内外市況は高騰した昨年来の最高値を更新するもので、関係者では為替要因が加わってきたことで「いつがピークになるのか」見極めにくい展開となっている。国内銅市場では、先頭を切ってまずスクラップ価格が上昇、新建値が安定すれば製品にも波及してくる見通しだが、「価格転嫁」問題が改めて浮上してくる恐れもある。
 日鉱金属加工(足立吉正社長)は31日、金属加工製品の2005年度上期生産見通しを発表した。

 伸銅品は、移動体通信機器やデジタルカメラなど、昨年後半からの需要低迷による在庫調整がほぼ終了し、今後は緩やかに回復するとして、前期(04年度下期)実績見込み比で11・7%増の2万100トン(月間3350トン)とした。

 特殊鋼製品は、電子銃用ステンレスやアンバーなどブラウン管関連材料が液晶への移行で減少しているものの、BRICs諸国(ブラジル・ロシア・インド・中国などの経済振興国)での需要が依然堅調なことから、4500トン(月間750トン)と同1・3%の微減にとどめた。

 総量では同9%増の2万4600トン(月間4100トン)の見通しとなった。
 フジクラは1日、米アルコアとの合弁会社アルコア・フジクラ・リミテッド(本社=米国ミシガン州、以下AFL)について、合弁解消契約が正式発効したと発表した。これに伴い、フジクラは新会社「アメリカ・フジクラ・リミテッド」を設立し、AFLから情報通信事業と日系顧客向け自動車関連事業を引き継いだ。合弁解消の概要は本年1月6日付で既報。