総合リサイクル事業を展開する浜田（本社＝大阪府高槻市、濵田篤介社長）に勤務する木村啓嗣さん（24）が22日、ヨットによる単独無寄港無補給での世界一周を目指して兵庫県西宮市の新西宮ヨットハーバーを出航した。成功すれば日本人5人目で、海洋冒険家の白石康次郎さんが持つ最年少記録を約30年ぶりに更新する。

木村さんの挑戦は2度目。昨年11月にも世界一周を目指して出港したが、天候が大きく荒れる中で船の装置が故障したため途中で断念した。木村さんは再び世界一周への挑戦に向け、今年5月から2カ月半にわたるハワイ往復の長期トレーニングなどの準備を重ねてきた。

浜田は同社が積極的に取り組むサーキュラーエコノミー（循環経済）の実現に向けた新たな挑戦としてヨットでの世界一周チャレンジ「Go around Re―Earth」を立ち上げ、会社を挙げて木村さんをサポートしている。濵田社長は「生きて帰ることが一番のミッション。自然が相手なので運良く世界一周を達成できれば最高だ」と木村さんにエールを送った。

木村さんはどこの港にも寄らず、食料や燃料の補給も行わないでヨットで世界一周を航海するチャレンジに挑戦する。ヨットは潮の流れと風の力を頼りに進み、必要な電気は太陽光と水力で賄う。木村さんは航海について「環境に関わる人や冒険心を持つ人にぜひ見てもらいたい」と思いを語り、その様子はインスタグラムなどのSNSで発信する。

「帰港の時は今日の5倍以上の人が集まっていてほしい。最高の感動を持ち帰りたい」と笑顔を見せる木村さん。約6カ月間の航海は約4万5000キロにも上り、計画では太平洋を南下し、南米大陸最南端のホーン岬やアフリカ大陸の喜望峰などを経て来年5月の帰港を目指すという。