2016年8月10日

コベルコマテ銅管、秦野工場敷地でドクターヘリ着陸失敗

 コベルコマテリアル銅管(本社=東京・西新宿、益野裕社長)の秦野工場(神奈川県)のグラウンドで8日午後、ドクターヘリが着陸に失敗した。工場には多くの従業員や関係者がいたものの、幸いグラウンドの近くに人はおらず、けが人は出なかった。建屋なども9日午前時点で目立った被害はなく、事故後も工場は通常通り操業している。今後、地元消防などと安全対策などを話し合う。

 同工場は秦野市の消防と協定を結び、グラウンドをドクターヘリの離着陸場として無償提供している。8日午後2時頃、救急車で同工場に運ばれてきた救急患者を東海大学医学部付属病院(伊勢原市)に搬送しようとしていたドクターヘリが着陸に失敗した。

 機体は尾翼が胴体から完全に分離するなど大きな被害を受けたが、乗員および工場関係者にけがはなかった。ただ、飛び散った機体の破片が当たったとみられるグラウンド近くの建屋の窓にひびが入るなど、9日午前の時点でいくつかの軽微な被害が確認されている。

 事故当時の状況について山岡清太総務部長は、「工場内で作業していたため大きな音は聞こえなかった。工場を出ると白バイなどがグラウンドに駆けつけており、尾翼が折れ大破したヘリコプターを見て驚いた」と話す。

 事故後は多くの報道陣も工場に押し寄せた。9日にかけて警察や国土交通省による現場検証が行われ、グラウンドは立ち入り禁止とされたが、「工場は通常通り稼働している」(山岡部長)。

 ドクターヘリの離着陸時は事前に消防隊員が訪れ、人がいれば安全な距離まで退避させるが、今回のような事故が起きることは想定していない。グラウンドは地元の野球チームなどにも解放しているため、同社は今後の安全対策について消防やヘリコプターの運航会社と話し合い、安全が確保できるまでは離着陸を中止する方針だ。

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