2016年2月16日
15年度大河内賞、新日鉄住金化学『無接着剤型銅張積層板』 高生産性プロセス開発 電子機器小型化へ貢献
新日鉄住金化学が大河内記念生産特賞を受けたキャスト方式による無接着剤型銅張積層板(2層CCL)と高生産性プロセス開発は携帯電子機器の小型化などへの貢献が評価された。「エスパネックス」は微細配線化に加え、環境規制に対応する特性も武器に現在も世界で約30%とトップシェアを維持している。
フレキシブル回路基板(FPC)用材料は1980年代、絶縁層のポリイミドフィルムと銅箔を耐熱性の低いエポキシ系接着剤で張る3層式が主流だった。新日鉄住金化学は85年に無接着型の2層CCL開発に着手し、89年に世界初開発に成功した。90年に2層CCLと銅箔との高温連続ラミネートの両面CCLを開発した。
新日鉄住金化学は高機能携帯電話の世界的な普及に応じ、生産性を高めた連続乾燥・硬化、連続ラミネートプロセスによる高い供給能力で高機能FPC向け標準材料の地位を固めた。近年はスマートフォン向けに性能、品質が高度化した高機能FPCに不可欠な素材として国内外で定着。今年度の販売量は過去最高を更新し、来年度も増加を見込む。
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