真鍮(黄銅)の神様で知られる庚申山広徳寺(滋賀県甲賀市水口町山上)の正月恒例行事の初護摩(はつごま)会式が17日開催され、京都の伸銅メーカーや大阪・京都の伸銅品問屋組合関係者や、地元住民ら多数が参加した。本堂再建着工が計画されている今年は、業界発展や家内安全と合わせて復興祈願が行われた。
冒頭には田中喜克・山上区長があいさつを述べ、再建決定の経緯を説明し、協賛や懇志を呼びかけた。地元の信徒や業界関係者らが見守る中、船原廣照住職の読経に始まり、比叡山延暦寺の流れをくむ飯道山行者講によって祈祷護摩が焚き上げられた。また、地元の伝統芸能である水口囃子の「八妙会」7人が演奏を奉納し、集まった人々を楽しませた。
「庚申さん」の呼び名で親しまれる広徳寺は、桃山時代に日本で初めて真鍮が発明された地と伝えられており、江戸時代から全国の伸銅・銅業界関係者からの篤い信仰を集めてきた。申年の今年は、12年に一度の本尊御開帳行事「仲開扉」に当たり、さらには3年前焼失した本堂の再建着手が予定されている。