2015年12月2日

大同DMソリューション、マレーシア新工場竣工 アジアで工具鋼加工拡大

 大同特殊鋼グループの工具鋼事業会社、大同DMソリューション(大同DMS、津田孝良社長)は1日、マレーシアの工具鋼加工販売子会社、ダイドー・アミスター・マレーシア(DAM)の新工場開所式典を開催した。クアラルンプール郊外に工場を移転・拡張し、新たに切削設備と真空熱処理炉、表面処理設備を導入して自動車・家電産業向けなどの高品質・短納期のニーズに対応した。大同特殊鋼グループの海外事業の先陣に立ち、成長するアジア市場を取り込む考えだ。

 「これまでお客様が行っていた精密な形状加工や熱処理、表面処理を可能にし、仕上げ加工を除く一貫体制を確立した。金型づくりを安心して任せていただけるよう一層努力・精進していく」。DAMの林康一社長は、日系自動車・家電企業や商社、金融機関など取引先や大同特殊鋼グループ約100人の出席者を前にこう意気込みを語った。

 大同特殊鋼の石黒武副社長は「大同特殊鋼は2016年に創業100周年を迎える。グループ一体でDAMを盛り立て、お客様にはDAMを通じて工具鋼だけでなく、様々な相談をいただきたい」と要望。来賓代表のマレーシアみずほ銀行の溝口正二郎社長が「大同特殊鋼創業100周年を前に工場を拡張された意義は深い」とエールを送り、津田社長が「ジョホールバルの分工場も増強し、皆様の期待に応えていく」と述べ、事業の飛躍を誓った。

 DAMは92年の設立で大同特殊鋼と大同DMS、岡谷鋼機が出資。より付加価値の高い加工ニーズが増えたため、約6億円を投じて工場をクアラルンプール市郊外のセランゴール州に10月に移転・拡張した。ジョホールバルの分工場、ペナンの配送センターのマレーシア3拠点体制で、増加する需要に対応している。

 大同DMSの工具鋼加工拠点はタイとマレーシア、ベトナム、シンガポール、インドネシア、台湾、広州に新たにインドとメキシコが加わり、海外9カ国に展開。新中期3カ年計画の最終17年度(18年3月期)に海外売上高を14年度比1・5倍の150億円に引き上げる目標を掲げ、経済成長や日本からの工場進出が続く海外市場で事業の拡大を図る。

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