新日鉄住金は22日、第25回新日鉄住金音楽賞の受賞者を発表した。将来を期待される若手を対象としたフレッシュアーティスト賞はチェロ奏者の岡本侑也さん。20歳の独ミュンヘン音楽大生ながら、既に一線で活躍しており、さらなる成熟に期待して選んだ。クラシック音楽文化の発展への貢献をたたえる特別賞は音楽作家のひのまどかさん72歳。第2次大戦中ナチスに包囲されたレニングラードで音楽家の生き様を描いたノンフィクション「戦火のシンフォニー」などの業績を評価した。

　受賞記念コンサートを7月21日に本年20周年を迎えた紀尾井ホールで開く。岡本さんの演奏のほか、ひのさんのトークショーも予定している。各賞は新日鉄住金本社で贈呈する。

　岡本さんは10歳でドイツ音楽協会主催の青少年音楽コンクールバイエルン州地域部門で1位とバイエルン放送局特別賞を受賞した。2011年には日本音楽コンクールチェロ部門第1位。東京藝術大学を経て現在はドイツで研鑽を積んでおり、将来の大器としてさらに活躍が期待される。

　ひのさんは東京藝大音楽学部ヴァイオリン専攻卒後、東京ゾリステンに入団した。演奏家から東京藝大での民族音楽学研究を経て、執筆活動に転換。作曲家の伝記、小説、ノンフィクションをライフワークとし、1980年から「作曲家の物語シリーズ」を開始、モーツァルト、メンデルスゾーンの各巻は児童福祉文化賞出版部門を受賞した。