真鍮(黄銅)発祥で知られる庚申山広徳寺(滋賀県甲賀市水口町)において18日、新年恒例の初護摩会(はつごまえ)が2年ぶりに行われ、京都の伸銅メーカー、京都・大阪の伸銅品問屋組合の関係者らが参加して、今年の伸銅業の発展を祈願した。
地元の檀家や伸銅関係者らが見守る中、船原廣照住職の読経に始まり、比叡山延暦寺の流れをくむ山伏による祈祷、護摩供養が行われ、参加者は業界発展、商売繁盛、家内安全などを願った。昨年は台風災禍で山上への参道が崩落していたため、中止となっていたが、復旧により2年ぶりに挙行された。
護摩供養が終了後、船原住職と住民総代からは2年前に焼失した本堂再建について、「3月の住民総会で今後の方針を決め、再建が決定した場合には伸銅業界のご協力をお願いしたい」との要請があった。
広徳寺は「庚申さん」の名称で知られ、江戸時代から全国の伸銅・銅業関係者による厚い信仰を集めてきた。12年に一度の本尊大開帳行事への寄進のほか、1959年の伊勢湾台風で大破した本堂復旧にも、伸銅メーカーや伸銅品・銅原料問屋など400以上の企業・団体が寄付を行った事例がある。