淀川製鋼所は1日、同社所有のヨドコウ迎賓館(国指定重要文化財、兵庫県芦屋市)の竣工90周年記念行事開催を前に、施設の保存・維持・運営などに協力している関係者を現地に招き、復元された建設当時の机や椅子をはじめ展示内容を披露した。
ヨドコウ迎賓館は近代建築の巨匠の1人、フランク・ロイド・ライトが設計し、1924年に竣工した。竣工90年、国重文指定40年、一般公開25年を迎えた今年、記念行事を企画。その一環として購入時点に残っていなかった家具のうち、机・椅子の1セットを復元することとし、建設当初の旧山邑邸に納品した家具店が製作した。
パネル展示ではライトの来歴と日本、海外における作品と功績、ヨドコウ迎賓館の来歴と特長などを紹介。当日は建築界、地域・教育行政、大学・研究機関や同じライトによる日本の建築作品の関係者などが集まり展示を見学し、交流を深めた。
披露後の情報交換会では、同社の國保善次会長が「ヨドコウ迎賓館の維持保存は企業の社会貢献の一つととらえると同時に、一般の方々に広くライトの哲学と作品に触れ体感していただくことを目的としている。今後も今まで以上にライトの遺産とも言える建物を守り、より多くの方に知っていただけるよう努めたい」とあいさつした。
記念イベントはあす4日から11月3日まで、ヨドコウ迎賓館で開催される。