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本紙が選んだ01年の軽金属業界の10大ニュースは以下の通り。
圧延品で見ると、板類は缶材が堅調、自動車向けは好調で推移した。また、LNG船向けや家電(白物)向けが善戦したものの、IT関連向けは低調。押出類は主力の建材向けが伸び悩みを見せて、今一つの状態。また、箔はコンデンサー向けが低迷し、月を追ってマイナス幅を広げた。
一方、立山アルミも社長が交代し、要明英雄副社長が社長に就任。「兄弟企業」である三協アルミとの提携関係強化を進めている。
ただ、溶湯供給の価格競争が激化し、安値受注合戦となれば、溶湯外の合金価格の市況を低迷させる可能性も認識された。
モザール第二プロジェクトは03年に稼働開始し、04年にフル操業を予定している。
三菱商事は出資比率25%に応じて120億円の増資を引き受け、同社の年間地金取引量は現在の13万トンから19万トンに拡大する見込み。
[アジアン・メタルマーケット]
2001年軽金属業界の10大ニュース
日刊産業新聞本紙が選んだ01年の軽金属業界の10大ニュースは以下の通り。
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(1)トステムがINAXと経営統合
トステムは、窯業系大手のINAXと経営統合し、業態をまたいだアライアンスに発展した。これにより、東洋エクステリアをはじめとしたグループ企業に加え、INAXも持ち株会社「INAXトステム・ホールディングス」の下で活動することになった。製造業では珍しい持ち株会社制の動向が注目されることに加え、経営体質の強い者同士の「強者連合」誕生ということで、サッシ業界へも影響を与えた(2)アルミ箔3社、日用品で提携
三菱アルミは、住軽アルミ箔、サン・アルミニウム工業の3社で、日用品向けアルミ箔提携で合意に達した。収益面で厳しい日用品事業の採算改善を図るため、提携関係を結んだ。アルミ箔でのアライアンスは、これまで目立っていなかったが、IT需要急減でコンデンサーも大幅マイナスの状態。このため、今後箔業界での連携強化が進む可能性もある。(3)IT関連向けを中心に需要低迷
IT不況が日本経済に及ぼした影響は大きく、特に軽金属業界では半導体製造装置をはじめとする需要の低迷が顕著となった。圧延品で見ると、板類は缶材が堅調、自動車向けは好調で推移した。また、LNG船向けや家電(白物)向けが善戦したものの、IT関連向けは低調。押出類は主力の建材向けが伸び悩みを見せて、今一つの状態。また、箔はコンデンサー向けが低迷し、月を追ってマイナス幅を広げた。
(4)三協・立山アルミ、包括提携
三協アルミニウム工業は、立山アルミニウム工業と包括的な業務提携推進で合意した。従来は四国地区をはじめとした地域で共同物流などを行ってきたが、商品共通化でも協力関係を結び一歩前進。これにより、将来的な経営統合の可能性も出てきた。今後の焦点としては、同じ物流で連携している新日軽や不二サッシとのアライアンス拡大に発展するかがポイントになりそうだ。(5)神鋼、住軽金、店売り棒在庫統合
神戸製鋼と住友軽金属は、押出事業での提携関係をさらに一歩進め、両社が持っている関東地区の店売り品棒在庫を統合し、コスト低減を図る。これら実現可能な取り組みを進めることで、物流面を含めたメリット追求を図っていくことにしている。(6)東京軽金属商協会、創立50周年記念式典を開催
東京軽金属商協会は6月8日、東京・品川の新高輪プリンスホテルで「創立50周年記念式典」を開催した。当日は会員流通各社をはじめ、メーカー、関係者など約200人が参加。また、式典前の通常総会では、2期4年にわたって会長を務めた唐木輝昭・千代田金属社長に代わって、堀中成憲・筒中金属産業社長が新会長に選任された。発足して半世紀を経た今、流通各社は構造変化に対応する姿勢が問われている。(7)電撃的社長交代
日本軽金属は佐藤薫郷副社長が社長に昇格し、松井一雄社長(現相談役)の退任を決めた。1期目途中の交代で意外感もあったが、佐藤新体制の下、新日軽の経営陣を刷新し、不振の建材事業立て直しを図るなど、中期経営計画を策定して新たな取り組みを進める。一方、立山アルミも社長が交代し、要明英雄副社長が社長に就任。「兄弟企業」である三協アルミとの提携関係強化を進めている。
(8)アルミ二次合金、溶湯供給が拡大
ユーザーのコストダウンにこたえてアルミ合金の溶湯供給に関心が高まり、トレンド化した。合金メーカーの一部では、溶湯供給に向けた設備の増強を推し進めるところや、溶湯供給を検討するところもある。ただ、溶湯供給の価格競争が激化し、安値受注合戦となれば、溶湯外の合金価格の市況を低迷させる可能性も認識された。
(9)モザールプロジェクト第二段階へ
三菱商事などが参画するアルミ新地金モザール第二プロジェクトが年産能力倍増に向け製錬設備の拡張工事が進められている。モザール第二プロジェクトは03年に稼働開始し、04年にフル操業を予定している。
三菱商事は出資比率25%に応じて120億円の増資を引き受け、同社の年間地金取引量は現在の13万トンから19万トンに拡大する見込み。