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新日鉄住金がきょう1日、誕生した。アルセロール・ミッタルに次ぐ世界2位の規模となる新会社は、新日本製鉄と住友金属工業が培ってきた経営資源の結集と得意領域の融合を追求し、総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカーを目指す。「グローバル展開を着実に進め、国際市場で圧倒的な存在感を持つ鉄鋼企業になる」と宣言する宗岡正二会長兼CEO(最高経営責任者)に新会社の展望と課題を聞いた。
――新日鉄住金CEOの決意から。
「われわれ新日鉄と住友金属は昨年2月3日、統合検討に入ると発表した。将来を見据えて、国際マーケットで勝ち残っていくための攻めの経営判断であり、株主、公正取引委員会や各国の規制当局から承認を頂き、需要家など取引先や経済産業省をはじめとした官庁、メディアも賛意を示してくれた。そうした期待にたがわぬ、立派な会社を一日も早くつくり上げるよう努力していく。世界経済は混沌とし、鉄鋼業界も深刻な供給過剰問題に直面している。統合を決意した当時は、これほどの厳しい環境を想定していなかったが、『ベストフォー・ザ・ニューカンパニー』の精神で、社員、関係者が一丸となって取り組んできた結果、計画通り、大統合に漕ぎ着けた。ただし統合はゴールではない。新会社のスタートであって、引き続き、新会社にとってのベストを常に追い求めていく。これまでに相当の議論を積み重ねてきている。スピード感を持って、やるべきことをしっかり実行に移し、一日も早く統合シナジーを最大限に引き出していく」
――目指すところは。
「総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカーとして、国際市場で圧倒的な存在であり続けたい。製造、環境、省エネなど、あらゆる面でトップの技術力を持ち、スケールを追求し、収益力を引き上げて、グローバル展開も着実に進めていく。世界で図抜けた存在になるため、鉄鋼事業に加えて、エンジニアリングや化学、新素材、システムソリューションなど非鉄4セグメントの事業基盤もしっかり整備していく」
――当面の経営課題を。
「収益の回復が当面の最大の経営課題となる。株主や取引先、社員などステークホルダーの期待に応え得る収益構造を構築しなければならない」
――売上高経常利益率(ROS)10%を目指したいとしていたが、収益目標は。
「われわれは、鉄鉱石から高い機能を持つ鋼材を生産する高付加価値産業であり、ROS10%程度はあっても良いと思う。ただ、このように厳しい経営環境でスタートする統合会社として、収益率や国際A格の維持といった、具体的な旗印を掲げることが最善とは思っていない。無理がかかり過ぎると、どこかが破綻する。ステークホルダーにとって素晴らしい会社であり続けるという目標の方がより重要。お客さんには新日鉄住金と取引を続けていて良かったと感じて頂く。株主には株価や配当で満足して頂く。地域の人々には、雇用を支え、地域経済を支えてくれる新日鉄住金グループがあって良かったと思って頂く。そして社員が息子や娘を入社させたいと思う。そうした方向性を示してグループの総力を結集し、目指す企業像を具体化していく」 (つづく)
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誕生 新日鉄住金 総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカーへ
宗岡正二会長兼CEO 国際市場で圧倒的存在に
日刊産業新聞 2012年10月01日新日鉄住金がきょう1日、誕生した。アルセロール・ミッタルに次ぐ世界2位の規模となる新会社は、新日本製鉄と住友金属工業が培ってきた経営資源の結集と得意領域の融合を追求し、総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカーを目指す。「グローバル展開を着実に進め、国際市場で圧倒的な存在感を持つ鉄鋼企業になる」と宣言する宗岡正二会長兼CEO(最高経営責任者)に新会社の展望と課題を聞いた。
――新日鉄住金CEOの決意から。
「われわれ新日鉄と住友金属は昨年2月3日、統合検討に入ると発表した。将来を見据えて、国際マーケットで勝ち残っていくための攻めの経営判断であり、株主、公正取引委員会や各国の規制当局から承認を頂き、需要家など取引先や経済産業省をはじめとした官庁、メディアも賛意を示してくれた。そうした期待にたがわぬ、立派な会社を一日も早くつくり上げるよう努力していく。世界経済は混沌とし、鉄鋼業界も深刻な供給過剰問題に直面している。統合を決意した当時は、これほどの厳しい環境を想定していなかったが、『ベストフォー・ザ・ニューカンパニー』の精神で、社員、関係者が一丸となって取り組んできた結果、計画通り、大統合に漕ぎ着けた。ただし統合はゴールではない。新会社のスタートであって、引き続き、新会社にとってのベストを常に追い求めていく。これまでに相当の議論を積み重ねてきている。スピード感を持って、やるべきことをしっかり実行に移し、一日も早く統合シナジーを最大限に引き出していく」
――目指すところは。
「総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカーとして、国際市場で圧倒的な存在であり続けたい。製造、環境、省エネなど、あらゆる面でトップの技術力を持ち、スケールを追求し、収益力を引き上げて、グローバル展開も着実に進めていく。世界で図抜けた存在になるため、鉄鋼事業に加えて、エンジニアリングや化学、新素材、システムソリューションなど非鉄4セグメントの事業基盤もしっかり整備していく」
――当面の経営課題を。
「収益の回復が当面の最大の経営課題となる。株主や取引先、社員などステークホルダーの期待に応え得る収益構造を構築しなければならない」
――売上高経常利益率(ROS)10%を目指したいとしていたが、収益目標は。
「われわれは、鉄鉱石から高い機能を持つ鋼材を生産する高付加価値産業であり、ROS10%程度はあっても良いと思う。ただ、このように厳しい経営環境でスタートする統合会社として、収益率や国際A格の維持といった、具体的な旗印を掲げることが最善とは思っていない。無理がかかり過ぎると、どこかが破綻する。ステークホルダーにとって素晴らしい会社であり続けるという目標の方がより重要。お客さんには新日鉄住金と取引を続けていて良かったと感じて頂く。株主には株価や配当で満足して頂く。地域の人々には、雇用を支え、地域経済を支えてくれる新日鉄住金グループがあって良かったと思って頂く。そして社員が息子や娘を入社させたいと思う。そうした方向性を示してグループの総力を結集し、目指す企業像を具体化していく」 (つづく)
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