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主要工業生産の同期の累計生産は、自動車が105万台で前年同期比54%増、船舶も150万トン、34・5%増加。家電製品ではエアコンが1069万台、56・6%増、冷蔵庫も432万台、30・7%増、洗濯機、カラーテレビの生産も20%前後の伸びを維持している。
このような需要の急拡大に合わせて国内の鋼材生産も大幅に増加しているが供給は追いつかない。結果、鉄鋼セーフガードによる輸入規制措置にもかかわらず同期の鋼材輸入は前年同期比74・7%増の858万トンに達している。
特に輸入増加が目立つのが、自給率の低い鋼板類で、同期の輸入は786万トン(金額ベース39億5400万ドル相当)。前年同期比84・6%増加(100・3%増)、輸入全体の92%を占めている。
中国・国家統計局調べによると1―4月の経済成長率は9%を超えた。4月の貿易高も前年同月比34%アップの700億j超に達したとされる。現地紙は、「SARSの感染拡大は4月後半以降であり、その影響が統計に表れるのは5―6月以降となる」と指摘している。
松下グループの北京子会社がSARS感染で操業休止にいったん追い込まれたが、一方で「需要増加対応に操休を想定した前倒し生産で増産ペースを維持している」(上海地区の外資企業)というメーカーもある。
鉄鋼SGは熱延、冷延、カラー鋼板、無方向性電磁鋼板、ステンレス冷延鋼板の5品種が対象で、4月末までにおおむね1年目枠を超過。超過分の輸入には特別関税が賦課されることもあって輸入通関待ちの港湾在庫が一部品種で積み上がった。このため2年目枠がスタートする5月24日以降に輸入品が一気に市場に流入するとの懸念が高まっていた。これが市況軟化の要因のひとつとされる。
国内最大の鉄鋼企業、宝山鋼鉄がこのほど7―9月積みの鋼板価格を1年半振りに引き下げた。「宝山のリストプライスは国際市場で独歩高となっており、価格引き下げは当然のこと」、「中期的に中国は鋼材供給不足が続くため、市況軟化は一時的な調整にすぎない」との指摘もあるが、SARSの製造業への影響が深刻化してくるようであれば、予断は許せない。
4月の厚中板市況はトン3645元(約442ドル)、条鋼類は異形棒鋼2628元(約319ドル)、線材2626元(319ドル)でいずれも前月比小幅安。
冷延電磁鋼板は6706元(約814ドル)で前月比475元高。宝鋼も7―9月積みで鋼板類を軒並み値下げしたが、電磁鋼板は据え置いている。
SGの2年目枠がスタートしたが、直後の輸入通関状況は伝えられておらず、SARSの影響など不確定要素が多く、こうした中、日本の高炉各社は同国向け輸出について、結果減産を前提に価格優先の販売スタンスを徹底する方針を打ち出している。
[アジアン・メタルマーケット]
中国の鉄鋼需給
需要・生産、引き続き高成長
日刊産業新聞 2003/6/4中国の1―3月の鋼材生産は5055万8000トンで前年同期比16・6%増となり、高い伸びを維持した。3月の生産は1825万5000トン、前年同月比14・9%増加し、単月としての過去最高記録を更新している。新型肺炎、SARSの現地製造業への影響はいまのところ限定的で、鋼材需要および生産は引き続き高成長ペースを保つと期待されている。 |
【需給動向】
日本鉄鋼連盟まとめによると、中国の1―3月期の工業生産の伸びは月間平均17・1%で前年同期の10・9%および02年平均の12・6%を大きく上回る。基本建設投資も28%で前年ペースをはるかに超えている。主要工業生産の同期の累計生産は、自動車が105万台で前年同期比54%増、船舶も150万トン、34・5%増加。家電製品ではエアコンが1069万台、56・6%増、冷蔵庫も432万台、30・7%増、洗濯機、カラーテレビの生産も20%前後の伸びを維持している。
このような需要の急拡大に合わせて国内の鋼材生産も大幅に増加しているが供給は追いつかない。結果、鉄鋼セーフガードによる輸入規制措置にもかかわらず同期の鋼材輸入は前年同期比74・7%増の858万トンに達している。
特に輸入増加が目立つのが、自給率の低い鋼板類で、同期の輸入は786万トン(金額ベース39億5400万ドル相当)。前年同期比84・6%増加(100・3%増)、輸入全体の92%を占めている。
中国・国家統計局調べによると1―4月の経済成長率は9%を超えた。4月の貿易高も前年同月比34%アップの700億j超に達したとされる。現地紙は、「SARSの感染拡大は4月後半以降であり、その影響が統計に表れるのは5―6月以降となる」と指摘している。
松下グループの北京子会社がSARS感染で操業休止にいったん追い込まれたが、一方で「需要増加対応に操休を想定した前倒し生産で増産ペースを維持している」(上海地区の外資企業)というメーカーもある。
【市況動向】
02年4月から一本調子で上昇してきた国内の鋼板市況が4月に調整局面に入った。4月の国内市況(中国物資価格信息まとめ、税込み)は熱延コイルがトン3209元(約390ドル)、前月比100元安、熱延薄板(1・0ミリ厚)は3954元(480ドル)、50元安。冷延薄板(同)が4762元(580ドル)、180元安、めっき鋼板は5641元(685ドル)、20元安。熱延、冷延鋼板の下落幅が大きい。鉄鋼SGは熱延、冷延、カラー鋼板、無方向性電磁鋼板、ステンレス冷延鋼板の5品種が対象で、4月末までにおおむね1年目枠を超過。超過分の輸入には特別関税が賦課されることもあって輸入通関待ちの港湾在庫が一部品種で積み上がった。このため2年目枠がスタートする5月24日以降に輸入品が一気に市場に流入するとの懸念が高まっていた。これが市況軟化の要因のひとつとされる。
国内最大の鉄鋼企業、宝山鋼鉄がこのほど7―9月積みの鋼板価格を1年半振りに引き下げた。「宝山のリストプライスは国際市場で独歩高となっており、価格引き下げは当然のこと」、「中期的に中国は鋼材供給不足が続くため、市況軟化は一時的な調整にすぎない」との指摘もあるが、SARSの製造業への影響が深刻化してくるようであれば、予断は許せない。
4月の厚中板市況はトン3645元(約442ドル)、条鋼類は異形棒鋼2628元(約319ドル)、線材2626元(319ドル)でいずれも前月比小幅安。
冷延電磁鋼板は6706元(約814ドル)で前月比475元高。宝鋼も7―9月積みで鋼板類を軒並み値下げしたが、電磁鋼板は据え置いている。
SGの2年目枠がスタートしたが、直後の輸入通関状況は伝えられておらず、SARSの影響など不確定要素が多く、こうした中、日本の高炉各社は同国向け輸出について、結果減産を前提に価格優先の販売スタンスを徹底する方針を打ち出している。