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本年の販売目標は月間150トン。既に表面処理を採用しているユーザーにも素材の見直しを提案するほか、自社で最適な切削・鍛造を行い、製品化へのスピードアップに寄与できる態勢を整えている。コスト面では「非常に安価な従来材に比べて高いという声もあるが、原料や製造コストを加味した適正価格で販売している。鉛レス製品は従来材とは違う。品質、価格についてユーザーに理解してもらうことが大切」と強調する。
同社によると、生産量は月間70トン。素材から最終製品まで一貫生産であるほか、販売ネットワークやブランド力が強みとなり「月間100トンを突破する日も遠くない」という。
ユーザーの反応は、特に「関西の流通業者が敏感。流れが変わる時期を一つの商機と捉え、いち早く在庫をそろえたいという気持ちがあるようだ」といい、今後は給水・給湯用バルブに続いて、JIS規格品、産業用と段階的な切り替えを図るとともに、安定供給をめざす方針。
同社によると、販売量は昨年の秋口から伸び始め、現在は月間100トン程度。本年は年末までに400トンまで伸びると見込んでいる。今後は開発中の超耐脱亜鉛性に優れた『BZ1』(仮称)に力を入れていくほか、スクラップ対策でもほぼ完ぺきなまでの回収率を維持していく方向にある。
各社とも販売実績は確実に伸びており、今後の成長にも期待を寄せている。また、他メーカーでもさまざまな販売戦略によって拡販をめざしている。
加工性やコスト、規格統一やリサイクルの問題など、従来材とは全く異なる素材として一から実績を積み、需要が広がるような素地を確立することが急務だろう。
伸銅業界 鉛レス時代に突入
基準強化が追い風
日刊産業新聞 2003/3/104月1日から給水装置の鉛浸出基準が1リットル当たり0・05ミリグラム以下から0・01ミリグラム以下に強化される。家電・自動車業界でも鉛レス製品を使用する向きが年々高まっている。こうした動きを受け、伸銅メーカー各社がそれぞれ個別に開発した鉛レス銅合金は、既に20種類以上に上る。しかし、安定的な販売実績を持つ製品はまだ限られているようだ。今後予想される鉛レス銅合金の普及に向けた、主要3社の取り組みを検証した。 |
▼三宝伸銅工業
シリコン系鉛レス銅合金『エコブラス』は、昨年後半から販売量が急拡大し、月間120トンの実績となっている。需要先は水道メーターのボディ材をメーンに歯科用医療機械、給湯器、釣り具のリール部品、自動車部品、レジャーボートのスクリューシャフトなど幅広いことが特徴。同社では「単に鉛レス製品ということだけではなく、耐食性に優れ、強度も高いことなどが受け入れられているのではないか」と分析する。本年の販売目標は月間150トン。既に表面処理を採用しているユーザーにも素材の見直しを提案するほか、自社で最適な切削・鍛造を行い、製品化へのスピードアップに寄与できる態勢を整えている。コスト面では「非常に安価な従来材に比べて高いという声もあるが、原料や製造コストを加味した適正価格で販売している。鉛レス製品は従来材とは違う。品質、価格についてユーザーに理解してもらうことが大切」と強調する。
▼キッツ
本年1月から給水・給湯用コアコートバルブシリーズを全面、ビスマス系鉛レス銅合金『キーパロイ』製に切り替えた。各バルブのハンドルをミントブルーで統一し、新基準の適合品と一目でわかる仕組みになっている。同社によると、生産量は月間70トン。素材から最終製品まで一貫生産であるほか、販売ネットワークやブランド力が強みとなり「月間100トンを突破する日も遠くない」という。
ユーザーの反応は、特に「関西の流通業者が敏感。流れが変わる時期を一つの商機と捉え、いち早く在庫をそろえたいという気持ちがあるようだ」といい、今後は給水・給湯用バルブに続いて、JIS規格品、産業用と段階的な切り替えを図るとともに、安定供給をめざす方針。
▼サンエツ金属
鉛レス銅合金『BZ3』は、鉛の代替金属にビスマスを採用。切削性・鍛造性・耐脱亜鉛腐食性などに優れており、水栓向けに適している。また、前澤工業と共同開発した『BZ3S』は鉛の含有率を0・001%未満に抑えてあるほか、『BZ3』の加工性も維持している。他方、『BZ5』は既存の快削黄銅棒(C3604)の代替材として電気・電子機器、自動車などに適しており、高強度性に優れた『BZ7』はステンレスの代替材として位置付けられている。同社によると、販売量は昨年の秋口から伸び始め、現在は月間100トン程度。本年は年末までに400トンまで伸びると見込んでいる。今後は開発中の超耐脱亜鉛性に優れた『BZ1』(仮称)に力を入れていくほか、スクラップ対策でもほぼ完ぺきなまでの回収率を維持していく方向にある。
各社とも販売実績は確実に伸びており、今後の成長にも期待を寄せている。また、他メーカーでもさまざまな販売戦略によって拡販をめざしている。
加工性やコスト、規格統一やリサイクルの問題など、従来材とは全く異なる素材として一から実績を積み、需要が広がるような素地を確立することが急務だろう。