2024年9月12日

中部鉄源協議会が発足/来月、新断の共同入札開始/国内メーカーも購入可/アジア圏のベンチマークへ

中部地区の鉄スクラップ事業者の有志で構成する名古屋鉄源会、西三会、鉄友会、北部鉄源会が今月に合同で発足した中部鉄源協議会は、10月から新断スクラップの共同在庫入札を開始する。11日に名古屋市内で開催された名古屋鉄源会の定例会で小澤広多会長(不二商事専務)が発表した。海外の需要家に加え、国内メーカーも調達できる点が最大の特徴。鉄スクラップの幅広い需要家に向けた新たな供給サービスを提供し、域内の高品位の新断スクラップのブランド化とともにアジア圏の新断のベンチマークを目指す。



中部鉄源協議会の会員企業数は42社。初代会長に小澤氏が就いた。原則毎月1回の入札を行い、落札トン数に応じて数量を愛知県内の各鉄源会に割り当てる。FAS落札価格およびトン数は公表し、落札商社は非公表とする。第1回の入札を10月11日に実施し、11月1日から第1回入札分の納入を開始する。需要家にとっては従来の調達先以外から一定量を購入できる機会となり、中部鉄源協議会会員企業にとっては販売機会を増やすことができる。

品種は新断バラで数量は1500―3000トン。納入場所は名古屋港の稲永埠頭にある伊勢湾海運/松山商店ヤード。入札商社は日本鉄リサイクル工業会の会員会社、日本国内の上場会社、またはそれに準じる会社、貿易業務を恒常的に行っている会社、日本国内に法人(外国商社、外国メーカーも可)を持つ会社。原則的に加工処理会社は除外する。試用期間として1年間運用し、課題の抽出を行い、その後の活動を判断する。

中部地区は自動車メーカーはじめ大手製造企業が多く、発生する新断は成分の均一性が高い品質特性を持つが、近年はHSとの値差がほぼ消失している。「成分が安定し、品質のブレが少ない新断についてロットも管理することで改めて当地区の新断の評価を問い、認知してもらうことでブランド化にもつなげたい」(小澤会長)考えだ。

今月18日に名古屋市中村区のモンマートビルで在庫入札に関する商社説明会を開催する予定。小澤会長は「既存の共同輸出入札は原則として海外の需要家向けにヘビースクラップで実施され、今回の在庫入札は差別化を図ることになる。地区ディーラーの結束を強化しつつ、将来的に5000トン、さらに1万トンを目指していきたい」と語った。

中部鉄源協議会の連絡先は以下の通り。

▽電話=052―362―0235(不二商事)、090―3548―4502(不二商事営業、祖父江祐太氏)

▽メール=chubutetsugen@gmail.com

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