2024年9月12日
神鋼商事の成長戦略―中期経営計画2026―/(4)金属本部鉄鋼ユニット長/西村悟専務/特殊鋼分野で投資狙う/国内外供給網DX化、米拡大期待
――厳しい市場環境が続く前提の中で成長を図るために鉄鋼ユニットが中期計画で掲げるテーマと取り組む事業戦略は。
「この10年間で国内の粗鋼生産は2割減り、自動車生産は1割ほど減少した。建築関係は人手不足から工事だけでなく設計も間に合わない状況。首都圏の再開発は続くが地方や中小物件はコスト高から計画が後ろ倒しになっている。造船は手持ち工事が3年分ほどあるが、建造ピッチが上がってこない。海外は中国や東南アジアで日系自動車が苦戦している。中国の内需が不振なために鋼材が外に流れ、アジアの鋼材市況を冷やしている。北米はフレート高と金利の高止まりで日本材を中心としたビジネスは厳しい。鉄鋼の地産地消の動きもあり、市場の構造変化に的確に対応していく必要がある。厳しい市場の中で成長していくために全社方針の収益力の強化、投資の促進、商社機能の強化、経営基盤の強化に鉄鋼ユニットとしても取り組む。鉄鋼ユニットの収益のべースはトレードだが、ROIC(投下資本利益率)の改善に向けて事業分野の絞り込みやDXによる強固なサプライチェーン(SC)構築、事業投資を進める」
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