神鋼商事の非鉄金属本部では若手女性社員が営業職として活躍している。2020年入社の田和渚(たわ・なぎさ)さんは、非鉄金属本部・加工品第二グループに所属。半導体製造装置や航空機部品向けのアルミ板、棒、合金を国内外の顧客に供給する。新型コロナウイルス禍での入社という難しい環境にありながらも奮闘する田和さんに入社の経緯や今後の目標を聞いた。
――入社までの経緯を教えてください。
「商社への入社を軸に就職活動を進めていました。その中でも鉄鋼・非鉄金属業界は仕事や金額、企業などの規模が大きいため、やりがいを感じながら仕事ができると思っていました」
――神鋼商事に就職を決めた理由は何ですか。
「一番の決め手となったのは人事の方の人当たりがすごく良かったこと。職場の雰囲気も良いと感じました。採用に至るまでのプロセスにおいても、多くの企業では面接で志望動機は何かといった定型の質問が多いかと思います。ですが、当社は人柄や内面に関する質問が多いのが好印象で、その人のこれからの可能性を見てくれているところに惹かれました」
――コロナ禍での入社となりました。
「入社式はマスク着用の対面で行えました。社内のクラブ活動などは制限されていて、懇親会の開催もなく、上司や先輩など他の社員との交流の場がなかなかありませんでした」
――入社後はどのような研修が行われましたか。
「入社式の後、研修施設で約1週間、社会人としての基本的なマナーや教養などを学び、その後のおよそ半年間は配属先の先輩社員とのOJT研修を行いました。ただ、現場見学などには行けず、研修で学んだ知識を実際にアウトプットする機会が少ないのが、コロナ禍ならではの部分だと思いました」
――学生時代はどんな経験をしましたか。
「外国語学部で英米文学について学び、在学中にはカナダへ8カ月間の留学も経験しました。留学を経て、性格が以前より寛容になったと思います。もともと完璧主義な一面があり、日本人らしい物事の考え方だったのですが、現地で性的マイノリティーの方や異なる人種、年齢に関係なく学校に通っている人との交流を通じて意識の部分に変化が生まれました」
――留学時の経験は日々の仕事でも生きていますか。
「現在、中国や韓国、東南アジアなど海外の取引先とやり取りをする機会が増えています。その中で、例えば日本人なら連絡があればすぐに返信をするといった意識があると思いますが、相手によって決してそうではありません。そういった違いに対しては理解を持って業務を進められているのではと感じています」
――印象に残っている仕事は何ですか。
「うまくいかなかったことですが、顧客を相手に商材をプレゼンする際に同時通訳を行ったことです。自分の英語力や知識のなさを身に染みて感じたので、次の機会があればリベンジしたいと思っています。そのためにオンライン英会話などで語学を勉強中で、近いうちには英検やTOEICなどの資格にもチャレンジしたいです」
――日常業務で苦労していることはありますか。
「女性や若手ということで、壁を感じるようなことはあります。まだまだ本格的な営業活動や商談を行っていないので、これから見えてくることもあるかと思います」
――業界で活躍する女性が増えていくためには何が必要でしょうか。
「オフィス環境が整っていることはもちろんですが、総合職はトラブル対応など予期せぬことも多いので、プライベートの時間の確保やライフイベントへの理解などが重要になってくると思います。また、当社では今まで女性総合職の採用が年に数人だったのをこれから少しずつ割合を増やしていこうという流れもあります」
――今後の目標を教えてください。
「当社には成長に向け先輩社員が理解やサポートをしてくれる環境があります。個人としては、英語力や業務上必要な知識を身につけ、商談力も学んで実力のある人材となっていきたいです。組織としては、商社としてただ物を買って売るというビジネスだけではなく、ここ最近は加工業者などのM&Aが進んでいて、より付加価値をつけることに取り組んでいます。新たな商材の開拓などにも挑戦しているので、部としてもグループとしても一丸となって、取り組んでいきたいです」
――休日はどのように過ごしていますか。
「基本的に夜型な人間ということもあって、休みの前の夜はどうしても夜更かしをしてしまいます。休みの日には平日になかなかできない掃除をしたり、音楽鑑賞が趣味なのでミュージックビデオを見たりしてリフレッシュしています」
(欠端 優太)