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2024.12.20
2022年3月31日
非鉄業界で働く/グローバル人材編/インタビュー/社内意思疎通しっかり
中国で新エネルギー車の需要が拡大する中、神鋼商事はアルミ加工事業を強化している。中国出身の劉挺(りゅう・てい)さんは2008年に神鋼商事に入社。現在は同社の中国法人の蘇州神商金属で営業部長兼総経理助理として、自動車用のアルミ合金の拡販を進めている。劉さんに入社の経緯や今後の目標を聞いた。
――留学前に日本に対してはどのような印象を持っていたのか。
「昔から漫画や車、ゲームなどを通して日本に興味を持っていました。スラムダンクやドラゴンボールなどは何度も読み返しました。特にスラムダンクは読みながら泣いたことがあるほど思い出深いです。中学3年生からバスケットボールをはじめ、社会人になってからもサークルに入り、続けていました」
――学生時代は商学を学んでいた。
「日本に来る前から貿易関係の仕事や日本のものづくりに興味を持っていました。当時、中国がWTO(世界貿易機関)に加盟することによって、貿易関連の専門知識を持つ人が足りなくなるということをインターネットのニュースで知り、興味を持ちました」
「3年の時からゼミで英語によるビジネスコミュニケーションについて学び、貿易関係や異文化交流、海外の大学とのセッションをしていました。今となっては、貿易に関する知識よりも、どのように人と接するのかを学んだ時間となったように思います」
――神鋼商事に入社したきっかけは。
「採用試験を通して人間味があるところを感じたからです。2次面接は各部署で働いている先輩社員が面接官だったのですが、ざっくばらんに話すことができる方々だという印象を受けました。最も印象に残ったのは3次面接の時で、当時の人事部長から『君はどれだけお酒を飲めるのか』と聞かれたこと(笑)。そういったやり取りが自分に合うのかなと思いました」
――なぜ日本の商社を選んだのか。
「中国には総合力がある貿易企業がなかったからです。日本の商社は、単なるトレードだけでなく、みずから加工機能を持つなど総合的にお客様の満足度を高めることができる業種だと思います」
――入社後、非鉄金属本部の東京アルミグループに配属となった。
「サッシや電子材料、熱交換器用の周辺部品、ディスク材などの営業をしていました。長く携わったのはディスク材です。ハードディスクにするため、アルミの円盤に打ち抜き加工とコーティングを施したもので、神戸製鋼所がトップクラスのシェアを持つ競争力の高い製品でした」
――特に印象に残っていることは。
「入社8カ月の時に、月間の売り上げが億単位の規模になる新規案件の担当を任していただきました。貿易の知識や社内プロセスも十分にわかっていない状態でしたが、当時の上司から『お前なら大丈夫だ。失敗してもいい』と声をかけていただきました。専門知識が必要な商材だったため、機械部・情報本電子機材グループに社内出向したのですが、その時の上司も同じように『失敗してもいい』と言っていただきました。勉強しながら物流やお客様、仕入れ先と打ち合わせをし、軌道に乗せることができたのはいい経験となりました」
――難解な業界用語に苦労したのでは。
「当時の電子辞書はそこまで機能が優れているわけではなく、先輩が教えてくれる答えも高度な技術の内容で、分かったようで分かっていない状況が長く続きました。こんなことを言うと、当時の上司に怒られるかもしれませんが(笑)。夜に先輩と飲みながら製品の知識やお客様との接し方、分からない点などを勉強する機会をいただいていました」
――現在、蘇州神商金属の営業部長としてアルミ展伸材を販売している。
「15年に当社に配属されて以来、自動車用アルミ材料のビジネスに携わってきました。自動車用アルミ材料は要求される表面品質や性能のレベルが非常に高い。中国では自動車電動化の潮流に乗って、アルミ合金材料の需要は飛躍的に増えており、それを見越した営業活動を展開しています」
――今後の目標は。
「今後、蘇州神商金属がさらに大きくなっても、今のような風通しのいい会社にできればと思います。一般的に組織が大きくなるにつれ、社内間で壁ができてしまいます。問題が発生した際に解決に向かってみんなで議論できるよう、社員みんなとのコミュニケーションをしっかりと取っていきたいです」
(玉光 宏)
――留学前に日本に対してはどのような印象を持っていたのか。
「昔から漫画や車、ゲームなどを通して日本に興味を持っていました。スラムダンクやドラゴンボールなどは何度も読み返しました。特にスラムダンクは読みながら泣いたことがあるほど思い出深いです。中学3年生からバスケットボールをはじめ、社会人になってからもサークルに入り、続けていました」
――学生時代は商学を学んでいた。
「日本に来る前から貿易関係の仕事や日本のものづくりに興味を持っていました。当時、中国がWTO(世界貿易機関)に加盟することによって、貿易関連の専門知識を持つ人が足りなくなるということをインターネットのニュースで知り、興味を持ちました」
「3年の時からゼミで英語によるビジネスコミュニケーションについて学び、貿易関係や異文化交流、海外の大学とのセッションをしていました。今となっては、貿易に関する知識よりも、どのように人と接するのかを学んだ時間となったように思います」
――神鋼商事に入社したきっかけは。
「採用試験を通して人間味があるところを感じたからです。2次面接は各部署で働いている先輩社員が面接官だったのですが、ざっくばらんに話すことができる方々だという印象を受けました。最も印象に残ったのは3次面接の時で、当時の人事部長から『君はどれだけお酒を飲めるのか』と聞かれたこと(笑)。そういったやり取りが自分に合うのかなと思いました」
――なぜ日本の商社を選んだのか。
「中国には総合力がある貿易企業がなかったからです。日本の商社は、単なるトレードだけでなく、みずから加工機能を持つなど総合的にお客様の満足度を高めることができる業種だと思います」
――入社後、非鉄金属本部の東京アルミグループに配属となった。
「サッシや電子材料、熱交換器用の周辺部品、ディスク材などの営業をしていました。長く携わったのはディスク材です。ハードディスクにするため、アルミの円盤に打ち抜き加工とコーティングを施したもので、神戸製鋼所がトップクラスのシェアを持つ競争力の高い製品でした」
――特に印象に残っていることは。
「入社8カ月の時に、月間の売り上げが億単位の規模になる新規案件の担当を任していただきました。貿易の知識や社内プロセスも十分にわかっていない状態でしたが、当時の上司から『お前なら大丈夫だ。失敗してもいい』と声をかけていただきました。専門知識が必要な商材だったため、機械部・情報本電子機材グループに社内出向したのですが、その時の上司も同じように『失敗してもいい』と言っていただきました。勉強しながら物流やお客様、仕入れ先と打ち合わせをし、軌道に乗せることができたのはいい経験となりました」
――難解な業界用語に苦労したのでは。
「当時の電子辞書はそこまで機能が優れているわけではなく、先輩が教えてくれる答えも高度な技術の内容で、分かったようで分かっていない状況が長く続きました。こんなことを言うと、当時の上司に怒られるかもしれませんが(笑)。夜に先輩と飲みながら製品の知識やお客様との接し方、分からない点などを勉強する機会をいただいていました」
――現在、蘇州神商金属の営業部長としてアルミ展伸材を販売している。
「15年に当社に配属されて以来、自動車用アルミ材料のビジネスに携わってきました。自動車用アルミ材料は要求される表面品質や性能のレベルが非常に高い。中国では自動車電動化の潮流に乗って、アルミ合金材料の需要は飛躍的に増えており、それを見越した営業活動を展開しています」
――今後の目標は。
「今後、蘇州神商金属がさらに大きくなっても、今のような風通しのいい会社にできればと思います。一般的に組織が大きくなるにつれ、社内間で壁ができてしまいます。問題が発生した際に解決に向かってみんなで議論できるよう、社員みんなとのコミュニケーションをしっかりと取っていきたいです」
(玉光 宏)
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