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2024.12.20
2022年3月16日
鉄鋼業界で働く/女性駐在員編/インタビュー(3)/結婚・出産経て海外赴任
【伊藤忠丸紅鉄鋼・タイ現地法人バンコク支店勤務の猪野美菜子さん】
――現在の所属と業務内容を教えてください。
「2019年4月からタイ現地法人のバンコク支店で勤務しています。バンコク支店は総勢50人で、日本からの駐在員は4人です。私は自動車鋼材全般を扱う課のセールスマネージャーを務めていて、当課では海外からの輸入やタイ国内からの調達で自動車関連のお客さまに販売し、事業会社で鋼管を製造するプレミアム・スチールも管掌しています」
――タイの自動車マーケットの現状は。
「徐々に成熟し、新しいマーケットが広がりづらくなっていますが、最近はさまざまな材料費や輸送費が上昇し、新たなサプライヤーを探す需要家も増えています。その変化を捉えて、少しでも取扱量を拡大できるよう新しい材料をどんどん提案しています」
――海外で働きたいという思いは入社前からあったのですか。
「子供のころから語学が好きで、外国人の多い高校に進学し、東京外国語大ではトルコ語を専攻しました。当時から海外と関わる仕事をしたいと思い、商社に絞って就職活動をしました」
――今の会社を選んだきっかけは。
「会社説明会で『鉄は枯渇しないし、ありとあらゆるものに使われている』という話を聞いて興味を持ったことやその時の社員の方々の印象が良かったのが決め手でした」
――海外赴任の前に結婚・出産という大きなターニングポイントを迎えられました。
「結婚は入社5年目、出産がその翌年です。入社時から海外勤務希望だったので、上司ともいつ行きたいかを相談していたのですが、せっかく海外に行ってもそのあと出産して育休に入ったら、学んだこともリセットされてしまうのではないかということと、産んだ後でも赴任の機会はあるだろうということで、先に結婚と出産を選択しました」
――2人目の出産を終え、育児休業から復帰してから1年半後、ついに念願の海外赴任を果たしました。
「夫婦そろって行ければ一番良かったのですが、夫も仕事が忙しいので一緒に来てもらうわけにはいかず、どうしようかなと思っていたところ、私の母が帯同してくれることになり、それなら現地でも育児ができるということで、赴任が無事決まりました」
――慣れない海外での仕事と育児の両立というのは大変なのではないでしょうか。
「タイには日本人学校・幼稚園がありますし、通常は家の前まで迎えに来てくれるので、育児面の環境は充実しています。ただ、今は新型コロナウイルス禍でオンライン授業に切り替わってしまい、子供が毎日家にいて面倒を見ながらの仕事になるので結構大変です。ゆっくり考える時間を作れないのは大きな悩みで、仕事も育児もどちらも中途半端になっているのではと考えることがあります」
――仕事と育児との両立には周りのサポートや理解がないと難しいですよね。猪野さんが経験されてきた中で、今後の参考になるようなお話があれば聞かせてください。
「1人目を出産してから職場復帰した時、仕事がとても楽しいと感じました。専業主婦として一日中子育てをする方がもっと大変でした。同じように感じる世の女性は決して少なくないと思います。ただ、1人目の出産後と2人目の出産後、さらに現在とでは、自分の置かれているポジションも異なりますし、年次が上がるにつれて会社や事業のことをより大局的に考え、貢献できているのかと自問自答することはあります。やはり周囲や会社のサポートは大事で、そういった意味で会社にはとても助けられています。今回の赴任では苦労も多いですが、目標だった海外駐在を実現できて本当に良かったです。私もたくさん悩みましたが、時代もどんどん変わっていくので、後輩たちには女性だからと気後れせず、自分の夢に向かって思いきって飛び込んでいってほしいです」
――次の目標を教えてください。
「このまま頑張って働き続けてステップアップしていくことで会社に恩返ししていきたいです。今回の海外赴任先での子育ても含め、女性総合職の働き方として、一つのモデルケースにもなれればいいなと思います」
――最後にオフの過ごし方は。
「まとまった休みには家族でタイ国内の旅行に出かけています。ちょっと気分転換したい時は、車なら2時間でパタヤに行けるのも魅力です。週に1回は同僚たちとゴルフにも行っていて、大変楽しんでいます」
(音成 泰文)
――現在の所属と業務内容を教えてください。
「2019年4月からタイ現地法人のバンコク支店で勤務しています。バンコク支店は総勢50人で、日本からの駐在員は4人です。私は自動車鋼材全般を扱う課のセールスマネージャーを務めていて、当課では海外からの輸入やタイ国内からの調達で自動車関連のお客さまに販売し、事業会社で鋼管を製造するプレミアム・スチールも管掌しています」
――タイの自動車マーケットの現状は。
「徐々に成熟し、新しいマーケットが広がりづらくなっていますが、最近はさまざまな材料費や輸送費が上昇し、新たなサプライヤーを探す需要家も増えています。その変化を捉えて、少しでも取扱量を拡大できるよう新しい材料をどんどん提案しています」
――海外で働きたいという思いは入社前からあったのですか。
「子供のころから語学が好きで、外国人の多い高校に進学し、東京外国語大ではトルコ語を専攻しました。当時から海外と関わる仕事をしたいと思い、商社に絞って就職活動をしました」
――今の会社を選んだきっかけは。
「会社説明会で『鉄は枯渇しないし、ありとあらゆるものに使われている』という話を聞いて興味を持ったことやその時の社員の方々の印象が良かったのが決め手でした」
――海外赴任の前に結婚・出産という大きなターニングポイントを迎えられました。
「結婚は入社5年目、出産がその翌年です。入社時から海外勤務希望だったので、上司ともいつ行きたいかを相談していたのですが、せっかく海外に行ってもそのあと出産して育休に入ったら、学んだこともリセットされてしまうのではないかということと、産んだ後でも赴任の機会はあるだろうということで、先に結婚と出産を選択しました」
――2人目の出産を終え、育児休業から復帰してから1年半後、ついに念願の海外赴任を果たしました。
「夫婦そろって行ければ一番良かったのですが、夫も仕事が忙しいので一緒に来てもらうわけにはいかず、どうしようかなと思っていたところ、私の母が帯同してくれることになり、それなら現地でも育児ができるということで、赴任が無事決まりました」
――慣れない海外での仕事と育児の両立というのは大変なのではないでしょうか。
「タイには日本人学校・幼稚園がありますし、通常は家の前まで迎えに来てくれるので、育児面の環境は充実しています。ただ、今は新型コロナウイルス禍でオンライン授業に切り替わってしまい、子供が毎日家にいて面倒を見ながらの仕事になるので結構大変です。ゆっくり考える時間を作れないのは大きな悩みで、仕事も育児もどちらも中途半端になっているのではと考えることがあります」
――仕事と育児との両立には周りのサポートや理解がないと難しいですよね。猪野さんが経験されてきた中で、今後の参考になるようなお話があれば聞かせてください。
「1人目を出産してから職場復帰した時、仕事がとても楽しいと感じました。専業主婦として一日中子育てをする方がもっと大変でした。同じように感じる世の女性は決して少なくないと思います。ただ、1人目の出産後と2人目の出産後、さらに現在とでは、自分の置かれているポジションも異なりますし、年次が上がるにつれて会社や事業のことをより大局的に考え、貢献できているのかと自問自答することはあります。やはり周囲や会社のサポートは大事で、そういった意味で会社にはとても助けられています。今回の赴任では苦労も多いですが、目標だった海外駐在を実現できて本当に良かったです。私もたくさん悩みましたが、時代もどんどん変わっていくので、後輩たちには女性だからと気後れせず、自分の夢に向かって思いきって飛び込んでいってほしいです」
――次の目標を教えてください。
「このまま頑張って働き続けてステップアップしていくことで会社に恩返ししていきたいです。今回の海外赴任先での子育ても含め、女性総合職の働き方として、一つのモデルケースにもなれればいいなと思います」
――最後にオフの過ごし方は。
「まとまった休みには家族でタイ国内の旅行に出かけています。ちょっと気分転換したい時は、車なら2時間でパタヤに行けるのも魅力です。週に1回は同僚たちとゴルフにも行っていて、大変楽しんでいます」
(音成 泰文)
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