2021年12月21日

クラッド鋼管の事業縮小化/日本製鋼所 展望を聞く/取締役常務執行役員/岩本隆志氏/黒字安定化へ鋼板重点/小型ローター競争力高める

 日本製鋼所は日本製鋼所M&E(本社=北海道室蘭市)で製造するクラッド鋼管の事業縮小を決めた。日本製鋼所M&Eを管掌している岩本隆志取締役常務執行役員に事業縮小を決めた背景や、今後の方針などを聞いた。

 ――日本製鋼所M&Eで手掛ける鋳鍛鋼事業を取り巻く環境から。

 「日本製鋼所M&Eの事業は鋳鍛鋼、クラッド鋼板・鋼管、TES(トータルエンジニアリングサービス)の3本柱。鋳鍛鋼事業は海外向けで電力関連需要が増えており、東欧や中東を主体に原子力発電所で使用するローター(発電機用部品)で当社が得意とする大型一体鍛造の軸材などの受注が多い。中国は新型コロナウイルス感染症影響を受け、経済対策の一環として、火力発電所設備を手掛けており、ローターが一時的に増えている。カーボンニュートラル実現への動きで洋上風力発電が注目され、中国向けを中心に基礎杭を海底に打ち込むハイドロハンマー用アンビルも伸長。月間5500トン程度のM&Eの鋳鍛鋼出鋼能力に対して、現行シフトでほぼフル稼働となっている」

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