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2024.12.20
2021年10月19日
夢の技術「超電導」の未来を聞く(上)/長谷川隆代(昭和電線HD社長)×岩熊成卓(九州大学大学院教授)/航空機への活用に期待
電気抵抗がゼロで大電流を通電できる夢の技術「超電導」。昭和電線ホールディングスの100%子会社の昭和電線ケーブルはこのほど、世界初となる民間プラントでの3相同軸超電導ケーブルの実証実験を行った。九州大学は神戸製鋼所や大陽日酸、産総研などとともに、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「航空機用次世代電動推進システム研究開発」に参画し、航空機の電動化を実現する超電導システムの研究を行っている。昭和電線ホールディングスで長く超電導の研究に携わってきた長谷川隆代社長と超電導工学が専門の九州大学大学院システム情報科学研究院の岩熊成卓教授に話を聞いた。
――高温超電導の歴史を振り返って。
岩熊教授(以下、敬称略)「1986年に液化窒素の温度で超電導状態になる銅酸化物超電導体が発見された。銅酸化物超電導体にはビスマス系とイットリウム系が存在する。ビスマス系は線材への加工技術の開発が早かったことから、変圧器やケーブルの研究開発がイットリウム系に先行して進められた。しかし、ビスマス系は超電導特有の交流損失という問題を解決できないという課題があった。イットリウム系は、大電流を流すことができ、低交流損失を達成できる技術が開発されたこともあり、ケーブルやモーターをはじめ、航空機の推進システムなどに応用するため研究開発が進められている」
――高温超電導の歴史を振り返って。
岩熊教授(以下、敬称略)「1986年に液化窒素の温度で超電導状態になる銅酸化物超電導体が発見された。銅酸化物超電導体にはビスマス系とイットリウム系が存在する。ビスマス系は線材への加工技術の開発が早かったことから、変圧器やケーブルの研究開発がイットリウム系に先行して進められた。しかし、ビスマス系は超電導特有の交流損失という問題を解決できないという課題があった。イットリウム系は、大電流を流すことができ、低交流損失を達成できる技術が開発されたこともあり、ケーブルやモーターをはじめ、航空機の推進システムなどに応用するため研究開発が進められている」
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