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2024.12.20
2021年10月4日
鉄鋼業界で働く/グローバル人材編 インタビュー/今後の目標などを話すアルベルトさん/高い技術力に強く憧れ
三協則武鋼業(本社=堺市西区、北眞一郎社長)製造部倉庫課で、インドネシア出身のアルベルト・アレクサンドラ・パルドシさんが製品の出荷作業などに日々汗を流している。最初は外国人技能実習制度を利用して来日。「もっと日本で仕事に挑戦したい」と、帰国後しばらく経ってから再来日した。従業員仲間から仕事熱心で真面目だと評判のアルベルトさんに、来日までの経緯や、仕事の魅力、今後の目標などについて聞いた。
――日本に興味を持ったきっかけは。
「スマトラ島東北部のメダン出身で、高校までは山奥の田舎で暮らしていました。大学進学を機に街中へ引っ越し、初めて“メイドインジャパン"のバイクを目にしました。それもたくさんです。カワサキ、ヤマハ、ホンダ、スズキ…。なぜ日本はこんなに技術力が高いんだと気になりました。中国からバイクが輸入されてきた時期もありましたが、どれも2―3年でだめになっていて。長年乗れる日本のバイクがすごいと思いました」
――技術への関心が強かったのですね。
「大学では電子工学を学び、日本で働くことが目標でした。でも大学卒業後すぐに日本の会社へ就職するのは難しいと思ったので、外国人技能実習制度を利用して2012年に来日しました。当時は実習期間が1年のコースがあったので、そちらを選択しました」
――外国人技能実習制度で初来日した。
「2012―13年にかけて、厚鋼板の溶断やレーザー加工を行う大阪の会社で働きました。主に溶断加工に携わりました。従業員の皆さんの『おはよう』といった言葉や仕事に慣れてきた時期に帰国しなければならないのが一番辛かったです」
――帰国後は。
「来日時に習得した日本語を生かし、カメラのレンズを作るメーカーで半年ほど通訳をしていました。でもやっぱり、もっと日本で働きたいという思いは変わりませんでしたね。13年末に再び日本へ向かい、実習でお世話になった大阪の会社で、正社員として雇ってもらいました」
――日本で働くという夢が再び動いた。
「実習生時代は溶断加工などを行いましたが、正社員になってからは、レーザー機のオペレーターなど機械を1人で任されるようになりました。成長につながる仕事をさせていただけました」
――三協則武鋼業入社のきっかけは。
「3年ほど働いたあたりで、『日本でさらに視野を広げたい。違う仕事もしてみたい』と思うようになり、応募したうちの1社が三協則武鋼業でした。面接時に工場見学をさせていただいたのですが、きれいで広くて、設備もたくさんあって感動しました。また若い従業員が多く、職場に溶け込みやすそうとも思いました。面接では、駅から車で10分程かかる距離を歩いて来たと北社長に話したらとてもびっくりされたのを覚えています(笑)。日本語の能力が高いと褒めていただいたのも印象に残っています」
――入社当時は。
「17年に入社し、製造部生産1課で、ライトレベラーやジャンボレベラー、アンコイラーのオペレーターを主に担当しました。シャーリングの出荷作業も行いましたね。いろんなポジションがあるので、やりがいを感じる職場だと思いました」
――大変なことは。
「機械にトラブルが発生した場合、従業員の間で解決できればいいのですが、無理な場合はメーカーの方に修理を頼まないといけないので大変です。先輩方と協力し合ってトラブルを解決できるよう、保全も含めて常に対処法を話し合っています」
――やりがいは。
「1日にたくさんの加工量を達成できた時ですね。満足感はもちろん、予定通りにこなせて気持ちいいです。従業員のみんなと一緒に助け合いながら、さらに生産性を上げていきたい、と気持ちが高まります」
――日本人の従業員とも仲良く関係を築けているとか。
「日本人の従業員はみんな、『困ったことがあったら言ってな』『体調はどう?』と優しく話しかけてくれます。おかげで自然と職場に溶け込めました」
――9月1日、製造部倉庫課へ異動した。
「倉庫課で欠員が出たと聞き、自分から行きたいと手を挙げました。天井クレーンの資格を今年取得したことや、さらにスキルアップしたい、さまざまな部署を経験したいという気持ちが強かったからです。現在は配属されたばかりで、出荷の段取りと置き場の整理を担当しています。毎日新しいことの連続でわくわくしますよ! 生産1課の仕事も時々手伝っています」
――日本の鉄鋼業界で感じたことは。
「とにかく技術が素晴らしいです。公差±0・5ミリ以内で加工できるレベラー設備、厚物も長尺も切れるシャーリングなど…。インドネシアでは見たことがありません」
――今後の目標を。
「今は倉庫課の流れを学んで把握していきたいです。将来的には、シャーリングやコイルヤードの天井クレーンなど、他の部署の仕事にどんどん挑戦してみたい。幅広く何でもできる人材になりたいですね。入社以降、みんなとても優しくしてくれて、北社長と従業員の仲間への感謝の気持ちでいっぱいです。だから、ずっとこれからも三協則武鋼業で働き続けたいです」(芦田 彩)
鉄鋼業界で活躍する女性をはじめとした多様な人材、未来を担う人材を、随時紹介していきます。
――日本に興味を持ったきっかけは。
「スマトラ島東北部のメダン出身で、高校までは山奥の田舎で暮らしていました。大学進学を機に街中へ引っ越し、初めて“メイドインジャパン"のバイクを目にしました。それもたくさんです。カワサキ、ヤマハ、ホンダ、スズキ…。なぜ日本はこんなに技術力が高いんだと気になりました。中国からバイクが輸入されてきた時期もありましたが、どれも2―3年でだめになっていて。長年乗れる日本のバイクがすごいと思いました」
――技術への関心が強かったのですね。
「大学では電子工学を学び、日本で働くことが目標でした。でも大学卒業後すぐに日本の会社へ就職するのは難しいと思ったので、外国人技能実習制度を利用して2012年に来日しました。当時は実習期間が1年のコースがあったので、そちらを選択しました」
――外国人技能実習制度で初来日した。
「2012―13年にかけて、厚鋼板の溶断やレーザー加工を行う大阪の会社で働きました。主に溶断加工に携わりました。従業員の皆さんの『おはよう』といった言葉や仕事に慣れてきた時期に帰国しなければならないのが一番辛かったです」
――帰国後は。
「来日時に習得した日本語を生かし、カメラのレンズを作るメーカーで半年ほど通訳をしていました。でもやっぱり、もっと日本で働きたいという思いは変わりませんでしたね。13年末に再び日本へ向かい、実習でお世話になった大阪の会社で、正社員として雇ってもらいました」
――日本で働くという夢が再び動いた。
「実習生時代は溶断加工などを行いましたが、正社員になってからは、レーザー機のオペレーターなど機械を1人で任されるようになりました。成長につながる仕事をさせていただけました」
――三協則武鋼業入社のきっかけは。
「3年ほど働いたあたりで、『日本でさらに視野を広げたい。違う仕事もしてみたい』と思うようになり、応募したうちの1社が三協則武鋼業でした。面接時に工場見学をさせていただいたのですが、きれいで広くて、設備もたくさんあって感動しました。また若い従業員が多く、職場に溶け込みやすそうとも思いました。面接では、駅から車で10分程かかる距離を歩いて来たと北社長に話したらとてもびっくりされたのを覚えています(笑)。日本語の能力が高いと褒めていただいたのも印象に残っています」
――入社当時は。
「17年に入社し、製造部生産1課で、ライトレベラーやジャンボレベラー、アンコイラーのオペレーターを主に担当しました。シャーリングの出荷作業も行いましたね。いろんなポジションがあるので、やりがいを感じる職場だと思いました」
――大変なことは。
「機械にトラブルが発生した場合、従業員の間で解決できればいいのですが、無理な場合はメーカーの方に修理を頼まないといけないので大変です。先輩方と協力し合ってトラブルを解決できるよう、保全も含めて常に対処法を話し合っています」
――やりがいは。
「1日にたくさんの加工量を達成できた時ですね。満足感はもちろん、予定通りにこなせて気持ちいいです。従業員のみんなと一緒に助け合いながら、さらに生産性を上げていきたい、と気持ちが高まります」
――日本人の従業員とも仲良く関係を築けているとか。
「日本人の従業員はみんな、『困ったことがあったら言ってな』『体調はどう?』と優しく話しかけてくれます。おかげで自然と職場に溶け込めました」
――9月1日、製造部倉庫課へ異動した。
「倉庫課で欠員が出たと聞き、自分から行きたいと手を挙げました。天井クレーンの資格を今年取得したことや、さらにスキルアップしたい、さまざまな部署を経験したいという気持ちが強かったからです。現在は配属されたばかりで、出荷の段取りと置き場の整理を担当しています。毎日新しいことの連続でわくわくしますよ! 生産1課の仕事も時々手伝っています」
――日本の鉄鋼業界で感じたことは。
「とにかく技術が素晴らしいです。公差±0・5ミリ以内で加工できるレベラー設備、厚物も長尺も切れるシャーリングなど…。インドネシアでは見たことがありません」
――今後の目標を。
「今は倉庫課の流れを学んで把握していきたいです。将来的には、シャーリングやコイルヤードの天井クレーンなど、他の部署の仕事にどんどん挑戦してみたい。幅広く何でもできる人材になりたいですね。入社以降、みんなとても優しくしてくれて、北社長と従業員の仲間への感謝の気持ちでいっぱいです。だから、ずっとこれからも三協則武鋼業で働き続けたいです」(芦田 彩)
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