2020年12月10日
「世界をリードする日系企業 蓄電池市場の展望」脱CO2社会で需要拡大 京都大学大学院教授 安部 武志氏 リユース・リサイクル重要に
菅義偉首相が10月、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標を示した。中国と米カリフォルニア州は、2035年までにガソリン車の新車販売を禁止すると表明。世界が脱炭素社会の実現に向け本腰を入れ始めた。そのキーデバイスとなるのが電気自動車(EV)や再生可能エネルギーに不可欠な高性能蓄電池だ。リチウムイオン電池(LiB)を初めて商品化するなど世界の蓄電池市場をリードしてきた日本の電池メーカーや部素材メーカーは、さらなる高性能な電池の開発やリサイクル技術の確立に力を注ぐ。国の次世代蓄電池プロジェクトでプロジェクトリーダーも務める京都大学大学院の安部武志教授に蓄電池市場の展望や課題、日系企業の強みを聞いた。
――EVや再生可能エネの普及拡大に蓄電池の果たす役割は大きい。LiBを中心とした蓄電池市場の展望をどうみるか。
「脱二酸化炭素の社会を目指す上で、EVや再生可能エネだけでなく、ロボットなどの産業用途でも蓄電池の利用は広がっていくことが予想される。LiBは成熟した産業となっており、これにとって代わるすごい蓄電池が出てこない限り今後も間違いなく使われ続けると思う。特に中国などがEV化の戦略を力強く推し進める中、それに引っ張られる格好でLiB需要はますます伸びる」
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