2017年8月31日

アライ・リステム、機密データ記憶媒体 破砕サービス好調

関東地区大手スクラップディーラー、アライ・リステム(本社=神奈川県小田原市、新井宏信社長)は、個人情報など機密データを保存しているパソコンのハードディスク(HD)やUSBメモリ(USB)などを破砕処分するサービスが好調だ。



2005年4月に個人情報保護法が施行され、16年1月にはマイナンバー制度がスタート。一方、近年ではサイバー犯罪や情報漏えい事件が多発していることから、自治体や税務署、銀行などで個人情報の取り扱いに対する意識が高まり、データを保存する記憶媒体の管理がより一層徹底されている。

需要家が記憶媒体を処分する場合は専門会社に依頼し、老朽化したパソコンに内蔵されるHDや、不要になったUSB、光磁気ディスク(MO)など記憶媒体の保存データのみを消去するケースと、データを消去した上で記憶媒体を破壊するケースがある。ただ、データの消去は確認が難しく、また処分する前にデータが漏洩し、記憶媒体が盗難に遭う危険性も高い。このため、不要になった記憶媒体を安全に処分するニーズが高まっていた。

これを受けて、アライ・リステムは山北工場(神奈川県足柄上郡山北町)に設置する複合材分離分別機を活用し、HDの物理破砕サービス「ファイナルゼロ」を13年から提供している。同サービスは専用の鉄釜の中にHDを投入し、高速回転させることでHD同士がぶつかり、また釜の内面に当てることでHDをチップ状に破砕。チップ状のHDはふるいにかけ、磁気選別されて、金属とプラスチックに分別処分する。最終的に5センチ以下の状態になり、磁気選別工程で磁気を浴びせることで、HDの穴明けなど従来方法に比べて再利用を防止し、データ解読不可状態で安全かつ適正に処分できるのがメリット。HD10個、MO10枚当たり45秒程度で破砕が完了。1日当たりの処理能力はパソコン約600台分。バッテリーを外した携帯電話などの処分も可能だ。

アライ・リステムは基盤破砕を含めて、衝撃破砕サービスで12年の実績を有する。産業廃棄物処分業(中間処理)、産業廃棄物収集運搬業の許可を取得しており、需要家からの引き取りから処分まで一貫で対応できる。

処分料金はHD1個当たり1500円からで、別途料金で破砕証明書(写真付き、写真なし)を作成するほか、需要家からの持ち込みだけでなく、強固なセキュリティー環境での引き取り対応も行う。オプションメニューも豊富にそろえている。

新井社長は「需要家から問い合わせがあって対応してきたが、引き合い、受注が着実に伸びている。当社は創業80年を超えるが、変化に応じてニーズを捕捉し、プラスアルファのサービスを提供していく」と語った。

物理破砕サービス「ファイナルゼロ」の問い合わせ先は、アライ・リステム(TEL0465―21―2500)まで。

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