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2024.10.30
2015年5月26日
スクラップのネット取引始動 天羽健介・メタリー社長に聞く オープンな場提供、ヘッジに
金属スクラップ関連のサイトを運営するメタリー(本社=東京都港区、天羽健介社長)は、スクラップ売買の仲介サイト(https://metally.jp/)を本格的に始動させる。これは、会員登録した売り手と買い手が、インターネット上で金属スクラップを取引するシステム。買い手は新規開拓が容易になり、売り手はオープンな場で複数の買い手と交渉ができる。すでに、無料の事前登録を開始するなど、新規登録はホームページ上で可能だ。天羽社長に、新規事業や今後のスクラップ業界などについて聞いた。
――新たにビジネスを立ち上げる意義を。
「提供したい価値が2つある。1つは業務の効率化。他の業界に比べるとスクラップ業界のIT化は遅れている。慣れた手書きのほうが良い、との意見はあるとは思う。ただ、仕入れや販売をインターネット上で行えば時間やお金などのコストを下げることができるし、その下げた分は次の投資に回すことが可能になる」
「もう1つは取引先の開拓と選択を増やすこと。素材など相場商品を扱う業界に共通していることだが、閉鎖的な商習慣から生まれる情報格差や、特定の商流で行われるコミュニケーションによって、一物多価になっている。これらをオープンにしていきたい。簡単なことではないと分かっているが、業界全体や社会が良くなるよう取り組んでいくことが、業界に携わった私の使命だと考えている」
――売買について。ネット上であれば、売りと買いの気配値があってマッチングする、株取引のようなイメージがある。
「価格がオープンになるという意味での気配値はあるが、株取引より温かみのある問屋街をイメージしていただきたい。オープンな場で自由に売買を行うことで、結果として実態に限りなく近い価格になっていくと思う」
――売り手や買い手は、どこまでの条件提示が必要か。
「スクラップの登録には、商品のカテゴリーや配送方法、写真はもちろんのこと、規格や商品状態など任意を含む約15の登録項目を予定している。この項目は、実際に問屋に聞いた上でまとめたもの。売り手と買い手でスクラップの呼び名が異なるだけでなく、知識や情報でかなりの差があることも考慮して、専門的過ぎる言葉はなるべく避けている」
――取り扱うスクラップの範囲は。
「最初は、金属全般を視野に入れている。具体的には、鉄や非鉄金属、歯科金属を含めた特殊金属、レアメタルなど。それぞれの業界で、重量や商習慣に微妙な違いがある。必要に応じ分割や絞り込みをするなど、最適な状態になるようカスタマイズは行っていく」
――メーンにしたい金属はあるのか。
「多様なスクラップを開拓できるチャンスをお客さまに提供したいと考えているため、限定はしないつもりだ。特定の業界向けにスクラップを扱う問屋は、その業界の市場動向に事業が左右されやすい。商習慣上なかなか簡単ではないと思うが、売り先の選択肢を複数持つことは有効なヘッジ手段といえる」
――国内だけでなく、海外からの会員登録も視野に入れている。
「すでに、アジア各国から問い合わせをいただいている。国内に一定の需要があるうちは良かったが、2020年以降はそうではなくなると思う。国内需要の減少を見越し、買い手は新しい仕入れ先を開拓し、売り手は販売先を確保しておかなければ、事業存続にかかわるリスクにぶつかる可能性も出てくる」
「このような大局観でとらえた場合、日本では将来的にスクラップが余り、価格は下落基調になるとみている。一方、海外では需要が増える見込みのため、価格も上昇しやすいとみる。リスクヘッジの観点から、海外に販売先を持つことを考慮することは必要だ」
――品種と価格の2つでリスクヘッジが可能になる、との認識で良いか。
「そのとおりだ。問屋とその販売先との関係性を過信し過ぎると、市場が大きく転換する局面では飲み込まれる可能性もある。スクラップは相場商品。いくつかの品種でポートフォリオを構築すべきだと思う」
――事業の立ち上げは、いつごろに。
「夏ごろを予定している。ただ、当サービスを繰り返し使ってもらえることを重視しているので、すでに事前登録をいただいた会員の使い心地などを確認した上で開設したい。登録者数は年内に300社、3年後までに1000社を目指す」
――新たにビジネスを立ち上げる意義を。
「提供したい価値が2つある。1つは業務の効率化。他の業界に比べるとスクラップ業界のIT化は遅れている。慣れた手書きのほうが良い、との意見はあるとは思う。ただ、仕入れや販売をインターネット上で行えば時間やお金などのコストを下げることができるし、その下げた分は次の投資に回すことが可能になる」
「もう1つは取引先の開拓と選択を増やすこと。素材など相場商品を扱う業界に共通していることだが、閉鎖的な商習慣から生まれる情報格差や、特定の商流で行われるコミュニケーションによって、一物多価になっている。これらをオープンにしていきたい。簡単なことではないと分かっているが、業界全体や社会が良くなるよう取り組んでいくことが、業界に携わった私の使命だと考えている」
――売買について。ネット上であれば、売りと買いの気配値があってマッチングする、株取引のようなイメージがある。
「価格がオープンになるという意味での気配値はあるが、株取引より温かみのある問屋街をイメージしていただきたい。オープンな場で自由に売買を行うことで、結果として実態に限りなく近い価格になっていくと思う」
――売り手や買い手は、どこまでの条件提示が必要か。
「スクラップの登録には、商品のカテゴリーや配送方法、写真はもちろんのこと、規格や商品状態など任意を含む約15の登録項目を予定している。この項目は、実際に問屋に聞いた上でまとめたもの。売り手と買い手でスクラップの呼び名が異なるだけでなく、知識や情報でかなりの差があることも考慮して、専門的過ぎる言葉はなるべく避けている」
――取り扱うスクラップの範囲は。
「最初は、金属全般を視野に入れている。具体的には、鉄や非鉄金属、歯科金属を含めた特殊金属、レアメタルなど。それぞれの業界で、重量や商習慣に微妙な違いがある。必要に応じ分割や絞り込みをするなど、最適な状態になるようカスタマイズは行っていく」
――メーンにしたい金属はあるのか。
「多様なスクラップを開拓できるチャンスをお客さまに提供したいと考えているため、限定はしないつもりだ。特定の業界向けにスクラップを扱う問屋は、その業界の市場動向に事業が左右されやすい。商習慣上なかなか簡単ではないと思うが、売り先の選択肢を複数持つことは有効なヘッジ手段といえる」
――国内だけでなく、海外からの会員登録も視野に入れている。
「すでに、アジア各国から問い合わせをいただいている。国内に一定の需要があるうちは良かったが、2020年以降はそうではなくなると思う。国内需要の減少を見越し、買い手は新しい仕入れ先を開拓し、売り手は販売先を確保しておかなければ、事業存続にかかわるリスクにぶつかる可能性も出てくる」
「このような大局観でとらえた場合、日本では将来的にスクラップが余り、価格は下落基調になるとみている。一方、海外では需要が増える見込みのため、価格も上昇しやすいとみる。リスクヘッジの観点から、海外に販売先を持つことを考慮することは必要だ」
――品種と価格の2つでリスクヘッジが可能になる、との認識で良いか。
「そのとおりだ。問屋とその販売先との関係性を過信し過ぎると、市場が大きく転換する局面では飲み込まれる可能性もある。スクラップは相場商品。いくつかの品種でポートフォリオを構築すべきだと思う」
――事業の立ち上げは、いつごろに。
「夏ごろを予定している。ただ、当サービスを繰り返し使ってもらえることを重視しているので、すでに事前登録をいただいた会員の使い心地などを確認した上で開設したい。登録者数は年内に300社、3年後までに1000社を目指す」
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