2013年12月12日

神戸製鋼の薄板戦略 ■宮下 幸正常務(薄板営業部管掌)に聞く ホットコイル競争力強化へ 建材など”第3の柱”視野

――薄板需給は非常にタイト化してきているが、足元および中期的な環境認識を。

「住宅分野が好調なうえ、自動車も本年度は国内完成車生産が980万台を超える見通しで、内需は非常に旺盛だ。また為替が1ドル=100円前後の水準に落ち着いたことで、輸入材も心配するレベルではない。唯一の懸念は消費税増税後の反動だが、東京オリンピックの決定やアベノミクス効果もあり、あまり大きな影響を及ぼさないことを願っている。しかし、海外は違う。新興国を中心にアジアの需要は伸びるとは思うが、供給過剰な状態で、マーケット競争は厳しい。新鋭製鉄所の稼働も控えており、しばらくは供給過剰構造が続くと覚悟している」

――上期の鉄鋼事業は損益改善が進んだものの、薄板事業の収益状況はなお厳しい。

「上期は原燃料の上昇、為替変動などにより製造コストが上昇する一方で、自動車の支給材価格が下がるなどし、マーケットの上昇ピッチが緩やかで、価格改善が思うように進まなかった。店売りを中心とした市況品分野では、今春トン当たり1万5000円の値上げを要請したが、足元の浸透度は1万円程。状況を丁寧に説明し、完遂に向け理解を求めていきたい。またひも付き分野については、お客さまには機能、特に新製品開発への取り組みや、近年の海外展開の進展を評価していただき、もう一段の改善を進めたいと思っている」

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