2013年10月29日

世紀の大合併から1年-新日鉄住金、世界最強を目指す -9- ■第2部 鉄鋼事業(4)薄板 飛躍の鍵握る最大品種 超ハイテン材、大きな武器

1・2GPa級鋼板が使われている
2250万トン。これが新日鉄住金の2012年度の熱延コイルの生産量だ。国内シェアは半数を超え、圧倒的な存在感を示す。薄板事業部は新日鉄住金の生産する鉄鋼製品の約半数を占める最大部隊、国内製造拠点は鹿島、君津、名古屋、広畑、八幡、大分、そして一部品種を生産する和歌山の7製鉄所を擁する。また海外でも今年、メキシコ、タイ、ベトナム、中国で新しい下工程ラインが稼働し、来年にはインドで合弁CAPLが始動する。既存の中国、米国、ブラジル、クロスライセンスなどで提携関係にある欧州のアルセロール・ミタル、マイナー出資ながら母材販売と技術協力を行っているアジア、中東、アフリカのリローラーなどを加えると、世界最大級の供給網を築いていることになる。技術、コスト、グローバルを戦略の柱に、ブランド製品6000―7000万トンへの拡大を目指す中期経営計画の中でも、半数以上を占めることになる薄板事業の飛躍が成否の鍵を握る。

【国内はラインの再配置で競争力強化】

中期経営計画では国内製鉄所の酸洗・冷延・焼鈍・CGL(溶融亜鉛めっきライン)・EGL(電気亜鉛めっきライン)の下工程14ラインの休止を決めたが、このうち薄板事業では鹿島、和歌山、名古屋、君津の13ラインが対象。競争力の高いラインに集約・再配置することで、供給能力の減少を招くことなく、高い生産性を維持する狙いだ。

スポンサーリンク