2013年10月8日
世紀の大合併から1年―新日鉄住金、世界最強を目指す― ―4― ■第1部 製鉄所、ベストミル戦略/造り込み技術 水平展開
新日鉄住金は11製鉄所をはじめとする16製造拠点を有する。特に11製鉄所では旧新日本製鉄、旧住友金属工業がそれぞれ持っていた設備技術、操業ノウハウを共有することで、統合効果が徐々に発揮されている。
旧新日鉄では、製鉄所ごとに保有する優れた各品種の造り込み技術を水平展開することで、各ミルがともに「トップランナー」を目指し、高い生産効率を追求してきた。例えば名古屋製鉄所の自動車用溶融亜鉛めっき鋼板ライン(CGL)の操業技術を各所に展開し、歩留まり向上に寄与している。統合後は、このCGLの造り込み技術を鹿島製鉄所にも適用を進めている。高生産性技術の移転によって、さらなる歩留まり向上の効果が期待できそうだ。逆に鹿島は厚板の生産歩留まりの面で優れていた最適な歩留まり設計ノウハウを、旧新日鉄の各所に移転しており、歩留まり向上を実現している。
その一方で、八幡製鉄所から小倉製鉄所への電力や液化天然ガス(LNG)供給などで連携を本格化させる。すでに八幡から小倉にLNG供給を行っている。また九州地区では八幡と小倉、そして大分製鉄所の製鉄所内で発生するスクラップの融通を実施。
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