2025年1月20日
オープンファクトリー 地域一体で魅力発信 松尾泰貴氏 FactorISM統括プロデューサー友安製作所執行役員 企業同士の関係性も深化 関西各地で開催、万博出展も 「ものづくり」盛り上げる
関西最大級のオープンファクトリー「FactorISM(ファクトリズム)」。大阪府八尾市、門真市、堺市を中心に、鉄鋼や食品、化学など多種多様なものづくり企業が集まる。2020年のスタート以降、開催地域・参加企業・来訪者が年々拡大している。
ファクトリズムを立ち上げた松尾泰貴さんは、2020年まで八尾市役所で産業政策などに携わっていた。同市には製品や部品の加工を担う町工場が多い。下請け企業には価格決定権がないため大企業との格差が生まれやすく、ものづくりのフェアトレードが課題となっている。
普段、自分たちが作っている製品はどのように使われているのか見えにくい。しかし、オープンファクトリーであれば目の前で商品が売れ、モチベーションアップにつながる。「職人はものづくりに対して強い思いを持っている人が多く、作っている人にスポットを当ててものづくりの価値をまずは知ってもらうことが大切だと感じた」(松尾さん)。
近畿経済産業局への出向を経て、18年には当時八尾市に出向していた近畿経済産業局の津田哲史さんらとともに子どもたちにものづくりを体験してもらう施設「みせるばやお」を立ち上げた。もうかることよりも将来への投資として視点を変えることで、参加企業同士の関係性も深まっていった。
そこからファクトリズムの開催へとつながり、昨年は過去最多となる91社が参加した。「こうばはまちのエンターテインメント」を合言葉に、単なるイベントではなくコミュニティーとして「アトツギ(後継者)」にも着目している。工場見学やワークショップの他にも文化祭のようにバンドやマルシェなども企画する企業もある。「初参加の企業と2回目以降の企業で互いに情報や思いを共有することで、次第に参加企業数が増え、それを繰り返すことでファクトリズムは大きくなっていった」(松尾さん)。
そして舞台は万博へ――。八尾市を主体にファクトリズム参加企業が集まり、大阪ヘルスケアパビリオンで各週テーマや展示が入れ替わる「リボーンチャレンジ」に出展(9月16―22日)する。23年から開始したファクトリズムの取り組みの一つで端材や廃材から新たな製品を生み出す「LIVEISM」では、アーティストとコラボしたテーブルやいすなどの作品がパビリオンに展示される。
松尾さんは「本来、町の中心にいるはずの中小企業が町作りに関わっていないところが多い。ファクトリズムは地域貢献の一つとして、自分たちが町づくりに参画するためのチケットと捉えてもらえれば」と話す。職人の思いや技術にフォーカスし、若い人たちの憧れになることで新たなものづくりの価値が生まれる。
ファクトリズムを立ち上げた松尾泰貴さんは、2020年まで八尾市役所で産業政策などに携わっていた。同市には製品や部品の加工を担う町工場が多い。下請け企業には価格決定権がないため大企業との格差が生まれやすく、ものづくりのフェアトレードが課題となっている。
普段、自分たちが作っている製品はどのように使われているのか見えにくい。しかし、オープンファクトリーであれば目の前で商品が売れ、モチベーションアップにつながる。「職人はものづくりに対して強い思いを持っている人が多く、作っている人にスポットを当ててものづくりの価値をまずは知ってもらうことが大切だと感じた」(松尾さん)。
近畿経済産業局への出向を経て、18年には当時八尾市に出向していた近畿経済産業局の津田哲史さんらとともに子どもたちにものづくりを体験してもらう施設「みせるばやお」を立ち上げた。もうかることよりも将来への投資として視点を変えることで、参加企業同士の関係性も深まっていった。
そこからファクトリズムの開催へとつながり、昨年は過去最多となる91社が参加した。「こうばはまちのエンターテインメント」を合言葉に、単なるイベントではなくコミュニティーとして「アトツギ(後継者)」にも着目している。工場見学やワークショップの他にも文化祭のようにバンドやマルシェなども企画する企業もある。「初参加の企業と2回目以降の企業で互いに情報や思いを共有することで、次第に参加企業数が増え、それを繰り返すことでファクトリズムは大きくなっていった」(松尾さん)。
そして舞台は万博へ――。八尾市を主体にファクトリズム参加企業が集まり、大阪ヘルスケアパビリオンで各週テーマや展示が入れ替わる「リボーンチャレンジ」に出展(9月16―22日)する。23年から開始したファクトリズムの取り組みの一つで端材や廃材から新たな製品を生み出す「LIVEISM」では、アーティストとコラボしたテーブルやいすなどの作品がパビリオンに展示される。
松尾さんは「本来、町の中心にいるはずの中小企業が町作りに関わっていないところが多い。ファクトリズムは地域貢献の一つとして、自分たちが町づくりに参画するためのチケットと捉えてもらえれば」と話す。職人の思いや技術にフォーカスし、若い人たちの憧れになることで新たなものづくりの価値が生まれる。
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