2024年11月18日
TASS2024/賴俊吉・TASS理事長に聞く/デジタル人材不足課題
――TASS2024の開催に関する抱負を。
「今年はESGの盛り上がりを感じる。それに加え、AIなどデジタル化の要素がより濃く入ってきて、サプライチェーンが複雑化してきている。そのため従来以上に綿密なネットワークを構築し、台湾の存在をアピールしていくことが重要になる」
――デジタル化がCEに与える影響は。
「AIの進化に伴い、新しく生まれる仕事ができる一方、なくなる仕事もある。太古の石器時代やIT黎明期の変化なども大きかったが、AI時代はさらにスピード感を持った革新になっていくだろう」
――CEのDX化は進んでいるのか。
「データ化を進め、そのデータを生かしていくことが大切だ。台湾では大手企業での活用は進んで来ているが、中小企業はまだ十分ではない。台湾は中小企業が大半を占めるため、CEの重要性は認識しているものの、十分にデジタルの活用が進んでいないのが現状だ」
――デジタル化を進めるためには。
「台湾における最大の課題はデジタル人材の不足だ。半導体産業は大手を中心に人が集まっているが、それ以外の産業で人手不足が顕著だ。一つの産業だけに頼ると、その産業が崩れると国力低下に直結してしまう。そのため他の産業や中小企業にも人材が集まりやすくすることが大切だ」
――今後、TASSが果たす役割は。
「米中貿易摩擦の問題が起こっており、台湾経済も岐路に立っている。過去のように中国の安い労働力に頼ることが難しくなり、より付加価値の高い仕事を行う事業を展開することが求められる。われわれは台湾産業の高付加価値化に向けて、先端的な情報提供や人材教育などを提供していく。個社では難しいことでも、TASSを通じてさまざまな取り組みを進めることで会員を支援していきたい」
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