2024年9月9日

メタルワン社長に渡邉氏

メタルワンは6日、同日付で渡邉善之・三菱商事執行役員(55)が代表取締役社長兼CEOに就くトップ人事を発表した。北村京介社長兼CEO(56)は一身上の都合で退任した。

▽渡邉善之(わたなべ・よしゆき)氏=1993年早大政経卒、三菱商事入社。14年6月メタルワン経営企画部戦略企画推進室長、18年10月同経営企画部部長代行、19年4月三菱商事総合素材グループCEOオフィス、23年4月同素材ソリューション本部長、24年4月同執行役員新規事業開発本部長。69年4月9日生まれ、石川県出身。

新社長の横顔/メタルワン・渡邉善之氏/鉄鋼育ちの苦労人

三菱商事では鉄鋼製品の出身で薄板からスタートし、軸受鋼や工具鋼など特殊鋼にも携わった。鉄の苦しい時代を乗り越えた苦労人。「鉄鋼の方々に育てていただいた」と語るなど、人のつながりを大切にし、メーカーや鋼材流通などに知己が多く、鈴木貴士・五十鈴顧問とは新人時代から付き合いがある間柄という。

日商岩井との統合検討において、縁の下でメタルワンの発足・立ち上げに尽力。発足後は商事に籍を置きながら、海外拠点の統廃合などを手掛けた。リーマン・ショック後の厳しい環境下にあった2009年にメタルワンに入り、業績立て直しに取り組んだ。商事に一度戻って14年に復帰。通算7年半、メタルワンの経営企画部門に在籍した経験を持つ。

24年5月の産業新聞社のインタビューで、「メタルワンはしっかり貢献してくれる会社になった。変化が激しい環境下で、顧客やメーカーが期待することに応えていくことが大事」と語っている。また、カーボンニュートラルに向けた動きが加速する中、「商社として低CO2素材をどのように展開できるかは個人的なテーマで、普及促進に貢献していきたい」と意欲を示す。

ユーモアにあふれ、間髪を入れないマシンガンのようなトークに魅了される。学生時代はスポーツ(ハンドボール、水泳)に熱中し、今は週末にジムに通い、汗を流す。美食家で、スポーツ観戦も好む。座右の銘は「無知の知」で、「知らないということ」を努めて自覚している。(濱)

三菱商事の新規事業開発本部戦略/執行役員本部長 渡邉 善之氏/素材産業成長の一翼担う/ソリューション提案で競争力強化に貢献

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