2022年3月14日

関東地区メーカー、異形棒鋼販価11万円に 原料急騰映す ウクライナ情勢 目先一段高か

ロシアによるウクライナ侵攻に伴って鉄スクラップや合金鉄、原油などの価格が急激かつ大幅に上昇していることから、関東地区異形棒鋼電炉メーカーは今週から、異形棒鋼の販売価格をトン当たり11万円に引き上げる動きを見せている。



地区メーカーは主原料・鉄スクラップ価格および各種コストの上昇を背景に、2月後半から異形棒鋼の販売価格を同10万3000円に引き上げて、市場への浸透を図ってきた。

ただ、ロシア・ウクライナ情勢によって世界に鋼材や鉄スクラップの供給不安をもたらし、鉄スクラップ市況が急騰。11日時点の地区メーカー炉前購入価格(H2)はトン当たり5万9000―6万500円が中心値で前週比同3000―3500円上昇している。このほか合金鉄や原油などの価格も暴騰し、「足元は非常事態であり、販売価格を提示しにくい」(大手電炉メーカー)として、一部メーカーでは先週、オファー止めを実施した。納期が近い案件など、一部需要家との契約では同5000円の引き上げとなる同10万8000円で対応するケースも見られた。

地区メーカーは今週から販売価格を同11万円に引き上げる動きが見られ、異形棒鋼市況は一段高の様相を呈している。今後も各種コストはさらに続騰する見通しで、地区メーカーは状況変化を見極めながら、販売価格を決める姿勢を見せている。

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