2022年2月1日

次期社長の横顔/メタルワン・今村功氏/柔軟な姿勢、固い信念

三菱商事に入社以来、石油化学品畑を長く歩んできた。

2021年4月、メタルワンの副社長(経営計画担当)に転じた際は、「主要国が脱炭素社会へ大きくかじを切り、高炉メーカーが製鉄プロセス革新を迫られるなど鉄鋼業全体が大きな転換点を迎えている。かつての勝利の方程式が通用しない時代を迎えている。大変革期に流通として関与できることに商社パーソンとしての使命感を感じている」との決意を表明。

「鉄鋼業界の産業知見が乏しく、しがらみもないことが、逆にメタルワンにおける私のバリューと認識。業態変革を促し、ビジネスモデルを転換して、中長期の視点で会社を変えていくことがミッションとなる」と抱負を語っていた。

兵庫県で生まれ、中学生からは埼玉県浦和市で育った。病弱だったこともあり医者を志していたが、高校時代に有機化学の壁に当たって文系に転向。三菱商事入社時は金属やエネルギー分野を志望したが、奇しくも化学品部門に配属された。2回にわたってニューヨーク駐在を経験し、スイスIMDに留学した。

三菱商事時代を振り返り、「金曜日に退社するとスイッチが自然と切れ、週末、仕事のことを一切考えないようにしてきた」と語り、飄々(ひょうひょう)としているが、「人の話を聞くことを心掛けてきている」と語る表情からは真摯で柔軟な姿勢と固い信念がうかがえる。

来年1月に設立20周年の大きな節目を迎えるメタルワンが、新たなステージで飛躍するための大胆なかじ取りが期待される。(谷)

▽今村功(いまむら・こう)氏=90年東大経卒、三菱商事入社。15年汎用化学品第一本部オレフィン・アロマ部長、16年同本部基礎石化部長、17年化学品グループCEOオフィス事業投資担当。19年総合素材グループ機能素材本部長、20年執行役員。家族は妻と2女。67年3月27日生まれ。

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2024年12月 株式会社産業新聞社